訓練をはじめて約半年。「スワレ」「マテ」「コイ」「フセ」などの基本課目をマスターする時期。同時に得意、不得意の課目も出てきます。
1歳3~5ヶ月
訓練内容を基本訓練を組み合わせた応用訓練にかえていきます。歩きながら伏せたり、座ったりする練習で、細かい指示を聞き分けるようになります。
1歳5~9ヶ月
日々の散歩や訓練によってきたえられ、体もすっかりおとなのものになります。 同時に精神にも落ちつきが生まれ、以前にもまして、分別がついてくることでしょう。
1歳9ヶ月~2歳
これまでの経験と訓練内容が結びつき、犬は飼い主の言葉をいっそう理解するようになります。
引き綱をはずして横を歩く
自発的に歩調をあわせさせる
引き綱をつけて歩く訓練では、犬が先を急いだり、寄り道しておくれたりしないように、引き綱と言葉でコントロールしながら足並みをそろえて歩く練習をしました。
引き綱をつけると、犬は適度な緊張感を抱きながら歩くことができます。 逆にいえば、犬は引き綱に頼って歩いているということにもなります。 引き綱をはずしても、自発的な気持ちで、きちんと飼い主の横をはなれずに歩けるのがもっとものぞましい姿といえます。
また、引き綱をはずしてきちんと横を歩けるほどの信頼関係を結べれば、さまざまな場面で役に立ちます。 たとえば、犬と飼い主がいっしょにおこなう障害物競走(アジリティーなど)やフライング・ディスクなどのドッグスポーツを楽しむ第一歩にもなるでしょう。
段階を踏んで引き綱をはずす
訓練は段階を踏んでおこないます。
引き綱をいきなりはずしてしまうと、犬は一気に決まりごとから解放されたような気持ちになります。はずしても横を歩くのだということを教える前に、勝手なことをしはじめる犬もいるでしょう。いきなりはずしてしまうのではなく、まず、引き綱をたるませて持ち、犬に引き綱を意識させながら練習を。できるだけ引き綱を引いたりせず、言葉で横につくことを教えていきましょう。
歩きながらフセ、スワレ
思いやりをはぐくむ訓練
「フセ」「スワレ」など、その場にとどまった状態で指示を聞けるようになってきたら、次は別の動作とそれらの訓練課目を組み合わせて教えていきます。その手始めが、歩きながら伏せたり座ったりする訓練です。
歩いているときは、歩行に気持ちが集中しています。きちんと止まった状態であれは、ひとつずつの指示にしたがえても、歩きはじめると指示を聞きまちがえたりすることがあります。まして、散歩や遊びの最中には、興奮してしまって、上の空という犬も。
歩きながらでも正確に指示を聞き、したがうことができるよう訓練すれば、犬はより落ちつきを増し、注意深くなります。これは同時に、常に飼い主の様子を気づかう、思いやりの性格をはぐくむことができます。
一歩一歩ゆっくりと歩く
訓練の仕方は単純です。止まった状態でできていることをおこなうわけですから、はじめのうちは一歩一歩ゆっくりとした歩調で歩きます。途中で止まって、「フセ」や「スワレ」の指示を出します。
すると犬は、歩くことより指示に気持ちを集中させることができます。その後は徐々に歩調をはやめていきます。伏せたり座ったりしたあとは、犬からはなれる練習もおこないましょう。はなれるときは、速度を落とした状態からはじめるといいでしょう。
はなれたところで待たせる
飼い主からはなれるほど動く
「マテ」のしつけでは、飼い主が見える場所で待つ練習をしました。 飼い主の姿が視界に入ると、犬は「しっかり待っていよう」という緊張感と、「あそこに飼い主がいるから、待っていてももどってきてくれる」という安心感を抱くことができます。
逆に、飼い主からはなれると、だんだん不安になるものです。姿が見えない場所では、不安は助長され、犬は吠えたり、動いたりするようになります。 はなれた場所で待つ訓練をしないうちに、このようなことがくりかえされると、吠えたり動いたりすればもどってきてくれると思うように。一度このような習慣がつくと、なおすのは大変です。
もどったらよくほめる
はなれたところで待つには、集中力が必要です。しずかで落ちつける場所でじっと待つことを教えましょう。いきなり遠くまではなれたり、姿が見えなくなると、犬は動揺してしまいます。犬の様子を確認しながら、一歩ずつ距離をのばしていきましょう。
その際は、ロングリードと呼ばれる5~10メートルの長い引き綱を利用します。 犬が動きそうになったら、すぐにもどって、「マテ」と指示を。一回ごとにもどってほめていれば、犬は飼い主がかならずもどってくるのだということを理解し、安心して待つことができます。
離れたところで指示にしたがう
信頼度が試される訓練
基本的な訓練をおえ、犬が飼い主の指示にしたがうことを覚えたら、はなれたところから指示を出してみましょう。 普段の訓練でおこなう「スワレ」や「フセ」の課目からはじめるといいでしょう。
飼い主の様子に気を配り、言葉を理解しようとする習慣が身についていれば、距離があっても、指示を実行することができるはずです。 この訓練をマスターすれば、意思の疎通がスムーズになり、犬と飼い主との信頼をより深めることができます。
じっくり一歩ずつはなれる
まず、どんな場所にいても、飼い主から出される指示は、普段目の前で出されるものとかわらないのだということを、犬に理解させないといけません。
はじめは目の前で、いつもどおり指示を出します。できたら、もどってかならずほめます。次は一歩はなれて、指示を出します。このくりかえしで、徐々に犬からはなれていきましょう。
距離ができればできるほど、飼い主は犬にきちんと指示を伝えようと、真剣な気持ちになります。同時に犬は飼い主の言葉や身振りを読み取ろうと努力します。 お互いのこの気持ちのやりとりが、自然と飼い主と犬との間の信頼につながり、まるで飼い主は犬の言葉が、犬は飼い主の言葉がわかるかのような関係を築くことができるのです。