全犬種の飼いやすさの評価と特徴を解説│さ行

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さ行

サーロス・ウルフドッグ
オオカミの血を受け継ぐ野生派
飼いやすさ
初心者向き2
健康管理3
社会性・協調性3
状況判断5
訓練好き5
友好的4
レーンデルト・サーロスという人物がジャーマン・シェパード・ドッグと狼とを交配させて作り出した犬種です。作出者の名にちなんだ犬種名がつけられました。1969年にオランダで公認され、1981年にFCIでも公認されました。

サヴァ・ハウンド
ヨーロッパでも珍しいクロアチアの猟犬。別名ボサフスキー・ゴニチ
飼いやすさ
初心者向き2
健康管理3
社会性・協調性4
状況判断4
訓練好き3
友好的4
エジプトのサイト・ハウンドと交配させられた古代のモロシアン・ハウンドの子孫が、ハルカン半島に持ち込まれたものがルーツと考えられています。バルカン半島のいたるところで見られますが、クロアチアが原産国とされています。

サウス・ロシアン・シェパード・ドッグ
南ロシアで生まれた人気の大型牧羊犬
飼いやすさ
初心者向き1
健康管理3
社会性・協調性2
状況判断4
訓練好き2
友好的3
1797年、ウクライナにメリノー種羊が導入されたとき、オーストリアの小型の牧羊犬か輸入されました。しかし、狼などから羊を守ることができないため、その牧羊犬を大型化して、この犬が作り出されました。ロシアで最初のFCI公認犬種です。

サセックス・スパニエル
美しく輝く被毛が自慢の稀少犬
飼いやすさ
初心者向き3
健康管理3
社会性・協調性3
状況判断4
訓練好き4
友好的4
狐犬の血が騒ぐ
猟犬としては、その体つきに似合わず軽快な足どりで、樹木が茂った野山の中を、小さな獲物を吠えながら捜します。 家庭犬としては、とても友好的で、子どもや他の犬、ネコなどとも仲良くします。しかし、猟犬の血が騒いでしまうのか、自宅の近所で鳥や野良ネコなどを見つけると、一心不乱に吠えながら追いかけていってしまうので要注意です。 物覚えは早いので、トレーニングも容易です。健康面では、やや肥満傾向にあることと、椎間板、心疾患などが心配されます。特に食事に対して貧欲なので、与えるだけ食べてしまい、肥満になってしまいます。毎日の食事の量と運動量のバランスを考えてあげましょう。 柔らかい被毛は、毛玉もできやすいので、毎日のブラッシングは欠かせません。毛並みを整えるようにすることで、美しい赤い金色の被毛が保たれます

サモエド
極寒のシベリアが故郷の大型スピッツ
飼いやすさ
初心者向き3
健康管理4
社会性・協調性2
状況判断3
訓練好き3
友好的4
シベリア地方のサモエド族が、トナカイの番や狩猟、犬ゾリ引きなど、いろいろな仕事をさせていました。酷寒の地で生まれた犬なので、かつては極地探検でも活躍しました。日本スピッツのルーツといわれています

純白の毛並みが美しい日本スピッツの元祖
ソリ犬ブームに便乗しているわけではないと思いますが、サモエドを飼う人が増えています。1991年度は368頭の登録があり、これは前年のほぼ倍の数です。これからはもっともっと増えることでしょう。 サモエドは、シベリア北東部のオビ河とエニセイ河にまたがる広いツンドラ地帯を居留地としてきたサモエド族の飼い犬で、トナカイの番をしたり狩猟に用いられたり、ソリを引いていました。 19世紀末のイギリスに輸入され、その美しさとスクエアなタイプから評判となり、以後各国でも飼育されるようになっています。日本には昭和のはじめに紹介され、一部から支持を受け、その人たちによって小型化が図られました。それが日本スピッツです。 サモエドは日本スピッツよりかなり大きく威厳さえ感じられる犬です。毛色はホワイト、クリーム、ビスケットなどですが、ホワイトが好まれています。

サルーキ
洗練されたスタイルを持つ古代犬
飼いやすさ
初心者向き3
健康管理4
社会性・協調性4
状況判断3
訓練好き3
友好的4
非常に古い歴史を持った犬で、紀元前7000年ごろまでさかのぼれるのは、全犬種中最古といわれています。砂漠の遊牧民が、ノウサギ、ガゼル、ダチョウ、オオカミ、キツネなどの狩猟に使っていました。

神の使者として大切にされた遊牧民の猟犬
あばらや腰の骨がはっきりとわかるほど肉付きがうすい犬で、一見ダイエットのしすぎを思わせます。視覚型ハウンドは、全般的に空気の抵抗を少なくするために、からだの幅が狭いのが持徴ですが、このサルーキはその典型的な犬です。 犬種名は、かつてアラビア半島の都市として栄えたといわれるサルクから名づけられたといわれ、アフリカ北部から中東にかけて遊牧民の猟犬として飼育されてきました。 歴史は極めて古く、このタイプの犬では最古という説もあります。サルーキが生息していたのはイスラム教徒の居住地と重なり合っており、この宗教は犬を不浄な動物として遠ざけていますが、このサルーキだけは神の使いとして特別視されてきました。砂漠の民は過酷な環境の中に住んでいるため、肥満タイプをあまり見かけませんが、どうやらこの犬の肉づきがうすいのは、それと関係がありそうです。

ヨーロッパには1700年代に紹介されていますが無視され、19世紀中ごろから関心をもたれるようになりました。日本には1970年代はじめに輸入され、特定のファンの支持をえています。年間の登録数は100頭未満で、ショー会場でなければみかけることが不可能です。 全身短毛で耳と尾に飾り毛があるだけです。

サルプラニナッツ
旧ユーコの内戦を生き抜いた護羊犬
飼いやすさ
初心者向き1
健康管理2
社会性・協調性3
状況判断4
訓練好き3
友好的3
現在のマケドニアにある、スキーの世界大会でも有名なシャラ・マウンテンで育まれていた犬種です。それ以前のルーツははっきりしていませんが、アジアから移住した民族と共にヨーロッパにやってきたようです。旧ユーゴスラビアでは1939年に公認されています

し行

シーズー
豊かな感情表現ができるのが魅力の犬
飼いやすさ
初心者向き4
健康管理2
社会性・協調性3
状況判断3
訓練好き2
友好的3
上手にしつければ親友にもなれる
喜怒哀楽の表現が絶妙に上手で、その表情の豊かさでは右に出るものがいません。ぬいぐるみのようなクリクリした大きな瞳や愛嬌あふれる丸顔は、犬であることを忘れさせてしまうほど人間っぽさでいっぱいです。 とても賢いというほどではありませんが、いつも大好きな飼い主のことを何とか少しでも多く理解しようと努力している姿勢は立派です。 首を傾げながら飼い主の話を聞く姿を見ていると、どんな難しい話でも大半を理解しているように思えます。よく、シーズーを話し相手にしているという話を聞きますか、これも十分に納得できる話です。 健康面では、目が出てるため、角膜を傷つけるなどの眼病にかかりやすい犬種です。日頃から目の周りのフェイスカットや逆まつげのチェックをこまめにケアしましょう。また、皮膚もデリケートで、アレルギーから皮膚病になることが多いので、体質に合ったフード選びが大切です

たいへんな人気を誇る中国生まれの愛玩犬
愛玩犬(トイ・グループ)のなかでは現在もっとも人気が高い犬種のひとつです。 この人気の秘密は、白を基調としたパラエティーに富んだ毛色に加え、丈夫で飼いやすいことや多産な点をあげることができます。 また、アイドル歌手といわれる人が多く飼っており、テレビや週刊誌でしばしば紹介されたことも、人気を加速させた原因のひとつです。

シー・ズーは、チベットの王宮や寺院で古くから神の使者として神聖視されてきた犬で、獅子狗(シー・ズー・クウ) と呼ばれ、長いあいだ国外への持ち出しが禁じられていました。1930年イギリス人によってヨーロッパに紹介されましたが、当時はラサ・アプソと同じ犬種と考えられ、40年になってやっとシー・ズーとして独立、アメリカでは69年に第1号が登録されました。欧米では、シー・ズーとラサ・アプソの人気がほぼ伯仲していますが、日本では人気がシー・ズーに片寄っています。ドッグショーへ出陳するには、リボンを結ぶのが条件となっています。毛色はすべての色が許されています。

シェットランド・シープドッグ
卓越した運動能力と知性を備えた優秀犬
飼いやすさ
初心者向き4
健康管理4
社会性・協調性4
状況判断4
訓練好き4
友好的4
丈夫で機転の利く賢い家庭犬
大型犬のコリーにとても良く似ていて、優雅で美しく均整のとれた体型が魅力的です。コリーほど鼻先が長くない分高貴な感じは薄らいで見えますが、むしろコリーより犬らしい犬といった印象が強くなり、何となく親近感がわいてきます。性格も優しくて辛抱強く、思いやりに満ちあふれでいます。かなり利口な上、とても素直な性格なので、訓練すればするほど、その経験を吸収していける素晴らしい能力を持っています。 攻撃的なところはいっさいなく、陽気で明るく、体も丈夫で健康的で、まさに理想的な家庭犬です。シェルティーの愛称で親しまれている理由も十分に頷けます。 被毛のカラーは、金色からマホガニー色までの濃淡の幅のある黄色を基調に白やタンが散在しているセーブルが一般的です。ほかにもトライカラーなどがある。

厳しい自然に順応したイギリス原産の小型牧羊犬
同じ種なら緯度が高くなるにつれて大型化するのが動物の特性ですが、このシェットランド・シープドッグはコリーと比較して極端に小さいのが特徴です。これが人工種といわれる犬と野生動物との違いかもしれません。 イギリスの国土の大半を占める大ブリテン島のはるか北方の海上に浮かぶシェットランド諸島原産の犬です。この諸島は日照時間が少ないうえ、とても風が強く、草木も十分に育たないところで、そのため牛馬や羊も小さいことで有名です。そんな土地柄ですから、犬までも小さいのです。

この諸島はもともとノルウェーの領土でしたが、16世紀にイギリス王室へノルウェーの王女が嫁いだ際に割愛されたもので、それまでいたスカンジナピア半島の犬とボーダー・コリーによってシェットランド・シープドッグの原型が誕生したといわれています。イギリス本国に紹介されたのは19世紀末で、コリーを配されたことで完成度の高い犬となりました。 当時は作業犬タイプとショードッグタイプの2種類あり、展覧会場でもその優劣をめぐってしばしばトラブルが発生しましたが、牧羊業の衰退もあって作業犬タイプが減少し、ショータイプの時代を迎えて現在に至っています。 日本では戦前に若干輸入されたことがありますが、第2次大戦末期の食糧不足と犬の供出で恨絶やしとなりました。 戦後は1957年に数頭輸入されましたが、ちょうど同タイプのコリーの全盛期だったため無視され、頭数的には長いあいだ伸び悩んでいました。しかし、1960年代後半になってコリー人気が衰えるにつれ見直されるようになり、その後は急激に頭数を伸ばし3万頭前後を上下し、ベストテンの上位でがんばっています。 シェルティの愛称で普及した長毛の小型犬で、日本の住居事情にぴったりの犬として人気を保つことでしょう。毛色が多様なのも魅力のひとつです。

四国犬
四国の山岳地帯で育まれた純血犬
飼いやすさ
初心者向き3
健康管理5
社会性・協調性3
状況判断3
訓練好き2
友好的2
クマ狩りのときに猟師の仕事を手伝うマタギ犬として活躍していました。峻険な山岳地帯にいたため、他の犬種と遭遇する機会が少なく、現代まて、純血を保ってきました。1937年に国の天然記念物に指定されました。

白の混入がない毛色が特徴の野生味あふれる猟犬
四国の高知県寄りの山岳部を中心に、古くからイノシシ狩りに用いられてきた短毛の中型日本犬です。立ち耳、巻き尾または差し尾で、以前は土佐犬と呼ばれ、昭和12年天然記念物に指定されました。 しかし、明治になってこの地方で外来犬種によって土佐闘犬が作出され、これが土佐犬として世間に知られるようになったことから、混同を避けるため四国犬と称されるようになりました。

この犬は四国という立地条件が幸いし、他の日本犬との接触をもつこともなく純粋性を保つことができました。その純粋性を証明するものとして毛色をあげることができます。 甲斐犬をのぞく他の日本犬には白がありますが、四国犬だけは白の混入が認められていません。この犬種特有の素朴さも純粋性のあらわれとみなすべきでしょう。毛色は赤、黒褐色、胡麻、黒胡麻、赤胡麻、黒虎、赤虎です。

シッパーキー
船内で活躍する無尾が特徴の小さな船長
ベルギーのフランダース地方が原産で、犬種名は小さな牧羊犬という意味のフラマン語(ベルギー2大公用語のひとつ)に由来しています。牧羊犬だったことは間違いありませんが、運河が発達しているこの国では、次第にはしけの番犬として飼育されるようになり、現在では小さな船長として運河を航行する船と切っても切れない関係にあります。

断尾をするようになったのは1609年以降といわれ、無尾が最大の特徴です。狭い船内で行動するのが便利なように切除されましたが、近年は無尾で産まれる犬も多く、有尾の場合は尾根部で断尾します。 1885年、ベルギーのアンリエット王妃がドッグショーで見かけて飼育し、以来この国では人気犬種となりました。スピッツ系の血液も混入されているようで高い吠え声の犬です。 被毛は長くありませんが豊富で、毛色はブラックが主流ですが他の色でも1色なら許されます。

柴犬
日本を代表する忠犬
飼いやすさ
初心者向き4
健康管理5
社会性・協調性2
状況判断2
訓練好き3
友好的2
時間を共有することが何よりのトレーニング
縄文時代からの飼育記録があるだけに、日本の気候風土や生活に完全に適応した犬です。番犬として、屋外で一頭でつながれていても、耐えるだけの強い精神力を持っています。そのうえ、主人思いの忠犬としては、右に出るものがいないほどで、主人を一途に信頼し続け、従順で、いざという時は主人のために命を投げ出す覚悟があります。一頭でいる間も、無表情を装いながら、準備万端で主人を待ち続けています。 内面の献身的な一途さを野武士のようなひょうひょうとした風貌で覆い隠している精神的にとても奥深い犬です。そのため、どんな遠くで迷子になっても、必ず主人の元に帰って来るという帰巣能力と執着心は、抜きん出ています。数多くの美談が残っているのも頷けます。しかし、その一方で、主人以外の人間には一切心を開かず、我関せずといった感じで無表情で、そっけない感じすら受けます。

山岳獣猟犬として知られる日本犬中の最小型犬種
日本犬のなかでもっとも小さい種類です。1年間に登録される数は6万頭以上といわれ、日本中どこでも見かけることができます。最近はアメリカ、北欧を中心に海外でも飼育者が増えています。 柴犬は日本列島に最初に住みついた人たちといっしょに南方からやってきたと考えられています。縄文時代には本州中部から西日本の山岳部を中心に獣猟犬として飼育されてきました。信州柴、美濃柴、三河柴、山陰柴という呼び名は、当時の名残りです。絶滅した越の犬や長野県に現存する川上犬も柴犬の一種です。 山岳獣猟犬だったため、長いあいだ特定の人びとのみに知られていただけで、一般に注目されるようになったのは昭和になってからでした。大正末期、日本犬保存運動がおこり、これをきっかけに昭和12年柴犬として天然記念物に指定されました。

柴犬という呼び名は、毛色が枯芝に似ているからとか、小さいものを意味する昔の言葉によるといわれていますが、長野県地方では木の枝で作った柴の垣根をこの犬が上手にくぐりぬけることから柴くぐりと呼び、それが一般化されたと考えるのが正しいようです。 第2次大戦で各地の柴犬も打撃を受けて数がへり、その復興を図るため地域にこだわらず交配されたことからローカル色が失われ、全国的にほぼ均一な柴犬となりました。大戦後、日本犬を代表する秋田犬が一時肥満タイプになったことから、それを不満とする人たちが小さいながらもキリリとした体型の柴犬に関心を示し、また住宅事情などから小型犬が歓迎され、柴犬に人気が集中し現在に至っています。名古屋市では、集合住宅でも飼うことが可能な短毛でやや小型のやさしい性格の犬作りをめざしています。使用されたのは三河柴とラブラドール・レトリーパーで、新犬種ができたあかつきにはナゴヤ犬と命名されることになってましたが、うまくいきませんでした。柴犬は鋭い感覚をもち、警戒心に富んでいて、番犬として最適です。ただし性格がきつい犬もおり、しっかりしたしつけが必要です。 毛色は赤、胡麻、赤胡麻、黒胡麻、虎、白、淡赤、灰白など多様です。

シベリアンハスキー
見かけによらず楽天的な性格
飼いやすさ
初心者向き2
健康管理3
社会性・協調性4
状況判断3
訓練好き3
友好的4
複数飼育でおもしろみ倍増
団体でそりを引く作業犬だったこともあり、複数で飼育すると個性が出て、それぞれの中で暗黙の役割分担ができたりするので、興味がつきません。もちろん単独飼育でも、心を許した飼い主には、実に陽気で人なつこくて従順です。もともとがなんとかなるさといった楽天的な性格なので、苦しいことやつらい現実には目をそらして、早く忘れてしまおうとするところがあります。そのため、訓練やしつけにはかなりてこずります。 「迷子になると家に帰れないほど頭が悪い」などと言われますが、実はそうではなく、苦労して家に帰るよりも、居心地のいい所を見つけて「ここもなかなかいいな」と、居候を決め込んで住み着いてしまうためで、これも執着心のない楽天的な性格の表れのようです。

顔のマーキングが個性的な日本の人気No.1犬種
いま日本でもっとも人気があり、1991年度には50714頭の登録がありました。本格的に輸入されたのが82年、それからわずか10年でナンバーワンになりました。その出世ぶりには驚かされます。

人気を集めた理由として、①日本人好みの立ち耳②クリーンなアウトドア・スポーツに適している(犬ゾリ) ③映画「南極物語」で知名度が高まった④顔のマーキングが個性的で、白を基調とした全身の毛色が美しい、 などをあげることができます。

シベリアン・ハスキーの故郷は、北極海に面したシベリア北東部のチュコト半島です。ここに住む少数民族のチュクチ人は現在も1-2万人いて、トナカイの放牧やセイウチ、アザラシ漁に従事、犬ゾリは重要な交通手段となっています。 このチュクチ人の犬がシベリアン・ハスキーでした。この民族がいつごろこの半島に住みつくようになったかはっきりしませんが、数百年から千年前ごろと考えられています。 しかし辺境に住み、近代文明と縁のない生活をしていたので、チュクチ人とその犬は長いあいだ世界に知られることがなく、犬も独自なタイプになっていったのです。

この犬が国際社会に多少でも知られるようになったのは、1909年アラスカのノームとキャンドル間653キロを走破する「オール・アラスカン・スウィープ・ステークス」に参加したことによります。ロシア人の毛皮商人ウイリアム・ゴーサックが連れてきた3組のチュクチ人の犬たちが、ソリ犬として活躍し、3位までを独占して関係者を驚かせました。この犬ゾリ・レースは10年間にわたって開催され、そのうち5回までをチュクチ人の犬が勝っています。最高タイムは74時間17分でした。この結果犬ゾリ関係者は、チュコト半島へ出かけチュクチ人の犬を多数求めてアラスカへ連れ帰りました。

ハスキーとは、もともと金鉱掘りや毛皮を求めてカナダ北部やアラスカにきた欧米人が、エスキモーなどの少数民族に名づけた蔑称です。エスキモーの言葉が理解できなかった欧米人は、犬の遠吠えのような言葉と勝手に思いこみ、彼らをハスキー(しゃがれ声の人) と呼んだのです。のちにエスキモーの飼い犬もハスキーと呼ばれるようになりました。そういうことから、シベリアのエスキモー(チュクチ人)の飼い犬が、シベリアン・ハスキーとなったわけです。 犬ゾリ・レースと前後して北極と南極の探検がいく度かおこなわれ、探検に従事したソリ犬の活躍が新聞やラジオを通じて報道されましたが、とりわけ世間の関心を集めたのは、ノームのジフテリア大発生のときでした。 1925年ノームではおそろしい伝染病のジフテリアが発生、どこの家でも病人が出て血清が品切れとなりました。折からの猛吹雪をついて600キロ離れたネルタの町を出発した犬ゾリが5日間走りつづけて血清を届けることに成功、以来シベリアン・ハスキーなどのソリ犬が愛犬団体の公認犬種となって現在に至っています。毛色はすべての色と白を条件とし、両目の色が異なるのは認められています。

シャー・ペイ
しわだらけの独特な顔が印象的
飼いやすさ
初心者向き3
健康管理2
社会性・協調性4
状況判断2
訓練好き1
友好的4
チベタン・マスティフがルーツだといわれています。原産地の広東省の農家で家畜や番犬として働いていました。その奇妙な姿を表した「垂れ下がった皮膚」という意味の中国語が犬種名になりました

醜さで『ギネスブック』にのった悲運の犬
世界でもっとも醜い犬としてギネスブック1978年版に紹介されたことから、世間の注目を浴びるようになった犬です。特に成犬の貌は、ボクシングで重いパンチをいっぱい浴びたボクサーのように腫れぼったく、そのうえシワが多いのが特徴です。 しかし、幼犬時代はからだ全体がモッコリした深いシワにおおわれて、子供がダブダブの毛皮のコートを着たような珍妙な可愛さがあります。幼犬時代と成犬時代の落差がこれほど大きな犬も珍しく、幼犬だけをみて飛びつき買いをすると、ガッカリすることになります。

この犬に関心を示したのがアメリカ人で、中国で絶滅の危機にさらされていることを知ると、多くの人びとが飼育を申し出て人気犬種に押し上げました。シャー・ペイとは、ダブダブの皮膚の意味ですが、成犬では認められていません。チベタン・マスティフや短毛のチャウ・チャウの影響を受けていると思われますが、詳しいことはわかっていません。日本では年間約100頭が登録されています。短毛で毛色の制限はありません。

ジャーマン・シェバード・ドッグ
各方面で活躍するパーフェクトな犬
飼いやすさ
初心者向き2
健康管理4
社会性・協調性3
状況判断5
訓練好き4
友好的3
時間と体力のある上級者向き
かつてドイツ陸軍が軍用犬として、パーフェクトな犬を作ろうとして誕生しただけのことはあり、最も完成された究極の犬と言われます。 ずば抜けた運動能力に加え野性的な鋭い観察力と高い知性を兼ね備え、忠誠心も抜群なので、警察犬として活躍する理由も十分に頷けます。 しかし一方で、「訓練していないシェパードはシェパードにあらず」と言われるように、その優れた能力は訓練によって初めて開花します。そのため、この犬を飼う人は、とことん犬と付き合い、互いの信頼関係を築きあいながら、繰り返したっぷりトレーニングできる、時間と体力のある人でなくてはなりません。 この犬のために費やした時間は、それ以上の充実感と満足感となって、返ってくることは確実です

世界中を驚かせたドイツ陸軍の秘密兵器
作業犬としてもっとも完成度が高いといわれているのが、このジャーマン・シェパード・ドッグです。シェパード(牧羊犬)の名のついた犬はヨーロッパを中心に各地にみられますが、単にシェパードというときはこの犬を指すほどで、犬の王様として知られており、また多方面で幅広く活用されています。 しかし、その歴史は意外に浅く、作出されたのは約100年前です。1880年ごろドイツ陸軍騎兵大尉だったフォン・シュテファニッツが、ヨーロッパ中の牧羊犬をベースに軍用犬としても使用できる万能犬の作出をめざして完成させたもので、1899年、専門団体を発足させています。

一般的にこの犬は牧羊犬とみなされていますが、当時のヨーロッパでは牧羊業は衰退し、オーストラリアがあとを受けついていました。牧羊業が振わないのに牧羊犬を新たに作出するなんて、おかしいと思いませんか。しかも、それに従事したのが軍人となれば、なおさらです。実はこの犬は、ドイツ陸軍がきたるべき戦争に備え、秘密兵器として作出した軍用専門の犬でした。西ヨーロッバの主導権を争ってフランスと対立していたドイツでは、武器弾薬、食料、医薬品を運搬させたり、負傷兵の発見や捕虜の監視、見張り役として役立つようにこの犬に訓練を仕込み、戦争に備えました。 体高が低いので敵に発見されにくく、また夜間も行動が可能であり、1回の運搬量は少なかったけれど疲れ知らずの活躍をし、世界中を驚かせました。以来、各国が軍用犬として採用するようになり、その高い能力から盲導犬、麻薬探知犬、災害救助犬としても成果をあげています。 日本には1920年代に輸入され、軍用犬、警察犬として期待に応えてきました。

ジャーマン・ショートヘアード・ポインター
ドイツ国内外を問わず人気の鳥猟犬。別名ドイチェ・クルツハール
飼いやすさ
初心者向き2
健康管理3
社会性・協調性3
状況判断4
訓練好き4
友好的2
イングリッシュ・ポインターやブラッドハウンドと交配され、作られた犬種です。嗅覚にすぐれ、水泳も上手です。アライグマやウサギ、シカなどの狩りでも活躍します。今では、ドイツで最も人気のある鳥猟犬となりました

性格が激しい鳥猟のプロフェッショナル
イングリッシュ・ポインターに次いて国際的にも知名度が高いドイツ原産の断尾が必要な短毛のポインターです。ドイツには獲物の回収を専門とする犬がいなかったことから、水陸両用の回収や夜間も活動できる万能猟犬として、この犬を作出しました。

19世紀後半、ドイツが統一されると国力が充実され市民の生活も向上し、鳥猟が大変盛んになりました。そこで古いタイプのポインターをベースに、嗅覚を高めるためにブラッドハウンドの血液を混入したこともありましたが、やがてイングリッシュ・ポインターの軽快さを目標に改良をかさね、同犬の血液も借りて今日では優劣がつけにくいほど似たタイプとなっています。しかし、イギリスのポインターにくらべて性格はやや強く、猟欲の弱い犬以外は家庭犬に向きません。独特な色をした小斑と断尾が特徴です。日本でもかなり飼育されています。ドイツには長毛や粗毛のポインターもいますが、わが国ではほとんどみかけられません。

ジャーマン・スパニエル
ドイツでは現役で活躍する鳥猟犬。別名ドイチャー・ヴァハテルフンド
飼いやすさ
初心者向き2
健康管理3
社会性・協調性3
状況判断3
訓練好き3
友好的3
1903年に公認犬種となりました。アメリカへも「ジャーマン・スパニエル」の名前で輸入され、徐々に人気を高めています。ちなみに犬種名にある「ヴァハテル」とは、ドイツ語でウズラという意味です。

ジャーマン・スピッツ
甲高い声で吠えるドイツのスピッツ
飼いやすさ
初心者向き3
健康管理3
社会性・協調性3
状況判断3
訓練好き3
友好的3
ジャーマン・スピッツの祖先は、ノルウェーなどで番犬としていた犬で、バイキンクとともにヨーロッパにやってきたといわれています。1450年代のドイツ文学にはすでに、スピッツについての記述があります。

ジャーマン・ハウンド
家庭犬としても人気のドイツ犬。別名ドイチェ・ブラッケ
飼いやすさ
初心者向き2
健康管理4
社会性・協調性5
状況判断4
訓練好き3
友好的3
今もドイツに現存するヴェストフェーリッシュ・ダックスブラッケという犬種を改良した犬です。1900年にドイチェ・ブラッケという名で呼ばれるようになりましたが、1955年までは公認犬種ではありませんでした。

ジャーマン・ハンティング・テリア
優れた能力を持つ多才な猟犬
飼いやすさ
初心者向き2
健康管理3
社会性・協調性2
状況判断4
訓練好き3
友好的2
ドイツのバイエルン地方で1800年代に作り出されました。フォックス・テリアとブラック・アンド・タン、もしくはブラック・アンド・レッドとの交配によって誕生したと考えられています。何でもこなす多才な猟犬として人気です。

ジャーマン・ピンシャー
やや気性の荒いかみつき犬
飼いやすさ
初心者向き2
健康管理4
社会性・協調性3
状況判断3
訓練好き3
友好的4
シュナウザーの人気の陰に隠れて、頭数が少なかったものを1956年に繁殖し、維持してきました。ネズミの捕獲が得意で、農場などで使われています。スタンダード・シュナウザーとは兄弟筋にあたります。

ジャーマン・ロングヘアード・ポインター
つやのある被毛が美しいドイツの鳥猟犬。別名ドイチェ・ラングハール
飼いやすさ
初心者向き2
健康管理3
社会性・協調性4
状況判断3
訓練好き3
友好的3
ゴードン・セターやアイリッシュ・セター、ポインター、ジャーマン・ショートへアード・ポインターなどを交配して作り出された犬種です。ドイツではドイチェ・ラングハールと呼ばれています。

ジャーマン・ワイアーヘアード・ポインター
ワイルドでパワフルな猟犬中の猟犬
飼いやすさ
初心者向き2
健康管理3
社会性・協調性4
状況判断3
訓練好き3
友好的3
ジャーマン・シェパード・ドッグやグリフォンなどの交配で生まれた犬種です。19世紀初頭、それまで貴族のスポーツだった狩猟か一般の人々の間にも広まり、ドイツの猟犬は多様化し、この犬も1902年にケンネルクラブが設立されました。

ジャイアント・シュナウザー
物静かな大型シュナウザー
飼いやすさ
初心者向き3
健康管理2
社会性・協調性4
状況判断5
訓練好き4
友好的4
中型犬のスタンダード・シュナウザーを大型サイズに改良して、19世紀初めに作り出された犬種です。牛追いの仕事に従事していました。ザラザラとしたワイヤー状の被毛で、筋肉質の体をしています。

ジャック・ラッセル・テリア
いたずら好きで存在感は抜群
飼いやすさ
初心者向き2
健康管理4
社会性・協調性3
状況判断4
訓練好き4
友好的3
怖いもの知らずで厄介だけど憎めない
ネズミやウサギなどの小動物を、巣穴に潜り込んで捕まえる猟犬なので、どんな時も探求心好奇心にみちあふれ、疲れるということを知らないかのように活発で元気満々に動き回ります。 勇敢で挫折することを知らず、何にでも大胆不敵に挑戦していきます。 楽しいことやいたずらが生きがいといった感じで、次々になにかをやらかします。 とにかくいつも瞳を輝かせながら、忙しそうにちょこまかと動き回っていて、うるさいくらいに抜群の存在感があります。 家族にはとても愛情深く献身的な犬種です。足が短く、愛嬌あふれる動きで、人々を楽しませてくれます。 被毛は、スムースとワイアーの2種類があります。カラーはブラック&ホワイト、トライカラーなどです。

シュタバイフーン
オランダで大人気の器用な鳥猟犬
飼いやすさ
初心者向き2
健康管理4
社会性・協調性4
状況判断5
訓練好き3
友好的5
同じオランダ原産のヴェッターフーンと同様に、アムステルダムの北東のフリースランド州で、1600年代から知られていました。16世紀までオランダを占領していたスペイン人が連れて来た犬が祖先と考えられています。

ミニチュア・シュナウザー
規則正しい生活をこよなく愛する頑固者
飼いやすさ
初心者向き4
健康管理3
社会性・協調性2
状況判断5
訓練好き4
友好的4
つきあい方ひとつで理想的なパートナーに
好奇心旺盛で興味を持ったことには何事にも果敢に挑戦し続ける行動的な犬です。どんな局面でも決してめげることのないポジティブさが最大の魅力です。小柄なのに、筋肉質で頑丈な体格なので存在感は十分です。決められたことを計画的にきちっとこなしていきたいタイプなので、ルーズな生活を送っている家庭や、不規則な生活が当たり前になっているような家庭では、ストレスを起こしてしまうことになりかねません。 頑固なまでに自己主張が強いので、幼少期から信頼関係を培っていかないと、自分の意思を通せないイライラから、無駄吠えの多い神経質な犬になることも少なくありません。 また、礼儀をわきまえない者や、その場の雰囲気を乱す者には、誰彼構わず攻撃を仕掛ける気の強さや厳格さもあります。そのため、他の犬や子供と遊ばせる時には、十分に注意を払いましょう。

シルキー・テリア
ヨーキー譲りの輝く被毛が名前の由来
オーストラリア原産の美しい長毛の愛玩テリアです。牧畜のため入植したイギリス人が、母国をしのびオーストラリアの気候風土に合った新犬種を求め、イギリス原産の犬をベースに作出されました。テリアとしては別にオーストラリアン・テリアがあり、牧場のネズミ捕りとして飼育されており、シルキー・テリアは愛玩犬として都市部で飼われています。ちょっと見はヨークシャーテリアとよく似ています。それもそのはずで、シルキー・テリアの作出にあたってベースになった犬がヨーキーでした。

ヨーキー譲りの絹糸状の長い直毛が魅力となっており、犬種名も毛質から名づけられています。19世紀末ごろにシドニー周辺で作出されたことから、シドニー・シルキー・テリアと呼ばれていたこともあります。 光沢のある被毛は、シルバーがかったブルーと鮮やかな濃いタンです。断尾が必要です。 人気犬種となる要素は十分ありますが、90、91年度は9頭ずつの登録があっただけです。

す行

スウェーディッシュ・エルクハウンド
北方ヨーロッパ最大の猟犬。現在ではスウェーデンの国犬
飼いやすさ
初心者向き1
健康管理3
社会性・協調性4
状況判断4
訓練好き3
友好的5
スカンジナビアの多くの谷には、古くからこの犬種が存在していました。エルクという大きなシカの狩りに使われていました。別名のイェムト・フンドとは、スウェーデンのイェムトランドの犬という意味をこめられたものです。

スウエーディッシュ・ラップフント
あらゆるスピッツ種のルーツともいわれる
飼いやすさ
初心者向き2
健康管理3
社会性・協調性4
状況判断4
訓練好き3
友好的4
この犬は、フィンランドで発見された7000年前の犬の化石によく似ていて、その犬の子孫ではないかと考えられています。また、ほかのスピッツ種のルーツがスウェーディッシュ・ラップフントである可能性が高いといわれています。

スウェディッシュ・バルハウンド
スウェーデンで牛追い犬として活躍。別名ヴェストゴーン・スピッツ
飼いやすさ
初心者向き4
健康管理3
社会性・協調性3
状況判断4
訓練好き3
友好的3
1000年前からスウェーデンで知られていた犬種です。1940年代に数が減りましたが、繁殖計画によって頭数を増やし、もちなおしました。1943年にスウェーデンのケンネルクラブで公認犬種となりました。

スカイ・テリア
ぬいぐるみのような長毛テリア
飼いやすさ
初心者向き3
健康管理4
社会性・協調性4
状況判断5
訓練好き4
友好的3
祖先は白色長毛のスペイン犬ともいわれています。16世紀の書物にスカイ・テリアと思われる記述があります。スコットランド西北にあるスカイ島やミスティ島などで飼育され、アナグマやカワウソなどの狩りで活躍していました。

テリアの本場、スカイ島に生まれる
こぶたが長い毛を引きずっているような犬で、テリアの変わり種といえるでしょう。短脚長胴で、頭上高く揚げた耳とその飾り毛が特徴で、そのタイプから害獣の巣穴にもぐり込んで補足していたとは信じがたいほどです。 テリアのなかでも古い犬で、故郷のスカイ島にちなんだ名称が与えられました。スカイ島はテリアの本場で、この犬より遅れてドッグショーへデビューしたケアーン・テリアも一時ショート・コーテッド・スカイ・テリアと名乗っていたことがありましたが、スカイ・テリア関係者の反対で改称しています。 悲劇的だったのはクライズデール・テリアで、毛質を除くとスカイ・テリアそっくりの犬でした。そこでシルキー・コーテッド・スカイ・テリアとしてショー・デビューを果たしましたが、タイプも犬種名もまぎらわしいということからスカイ・テリア関係者から徹底的にいじめられ絶滅してしまいました。そのせいではないでしょうがイギリスでの人気は低調で、日本でも伸び悩んでいます。毛色はホワイト、ブルー、グレーなどです。

スキッパーキ
コンパクトなボティーで俊敏に動く
飼いやすさ
初心者向き4
健康管理3
社会性・協調性3
状況判断3
訓練好き3
友好的4
ルーツは16世紀初頭にさかのぼるようですが、はっきりしたことはわかっていません。ベルギーに多くある運河のはしけの警備や、ネズミなどの害獣駆除をしていたので、フランドル語で小さな船長という意味の犬種名になりました

スコティッシュ・テリア
自尊心の強い頑固一徹なテリア
飼いやすさ
初心者向き3
健康管理4
社会性・協調性3
状況判断2
訓練好き2
友好的2
犬らしくない不思議な存在感がある
状況を客観的に観察して、自分の行動を冷静に判断できる賢さと、一度興奮すると制御がきかなくなるテリア独特の激しい気性が同居している、とにかく存在感のある犬です。 プライドも人一倍高く、一度自分が決めた判断と違う命令が出ると、頑として聞く耳を持たないと言う、頑固一徹な老人のような面があります。 納得できないことでしかられると「自分のことではない」といった様子で、悪びれないふてぶてしさもあり、しつけにはかなりの根気が必要です。 ただし、大好きな主人には、思いやりを持って従順に尽くしてくれます。長く付き合えば付き合うほど、深い部分で分かり合えるタイプで、犬らしくない不思議な犬です。 被毛のカラーは、ブラックですが、ごく希に、小麦色やブラック&プリンドルなどもあります

スコットランドを代表するテリア
テリアの本場と称されるスコットランドが原産で、かつてはアバディーン・テリアと呼ばれていたこともあります。いろいろなテリアがいたなかでこの犬が一国を代表する(スコットランド人はイングランド人に屈服したとは思っていない)犬となったのは、小型犬らしからぬ堂々とした振る舞いと重厚な感じを与えるタイプによりますが、それ以上に民族の悲願であるイギリスからの独立の夢を、この犬に託しているからではないでしょうか。

テリアとしては古いほうに属し、アパデーン・テリアと呼ばれたことからもスコットランド北部で飼育されてきたことをうかがわせます。短脚を利してキツネなどの害獣の巣穴にもぐり込み、獲物を捕捉してきました。がっしりしたからだと不釣り合いの大きな頭部、太い頚は、大型犬の雰囲気さえ漂わせており、愛玩犬感覚で飼うのをためらわせるほどです。日本では、ワイア・フォックス・テリアと並んでいち早く輸入され、人気の座を獲得しました。第2次大戦前はテリアといえば大型はエアデール・テリア、小型はスコティッシュ・テリアとワイア・フォックス・テリアと決まっていたほどで、花形犬種でした。戦後も1950年代までは多頭数が飼育されていましたが、その後の犬種の多様化の影響を受け、昨今は頭数的にはマイナー犬種となりました。しかし、一部の根強し、ファンに愛されています。 毛質はかたいワイア状で、毛色はブラック、プリンドル、グレー、ウィートンなど。

スタッフォードシャー・ブル・テリア
元闘犬の血筋を引く愛婿たっぷりの犬
飼いやすさ
初心者向き3
健康管理2
社会性・協調性3
状況判断3
訓練好き2
友好的3
18世紀から19世紀にかけて、勇敢なテリアとブルドックとを交配し、牛と闘わせる闘技用の犬として作り出されました。後に、この犬種がアメリカに渡って改良され、アメリカン・スタッフォードシャー・テリアとなりました。

スタンダード・シュナウザー
シュナウザー3兄弟の基礎になった犬種
飼いやすさ
初心者向き4
健康管理4
社会性・協調性4
状況判断5
訓練好き5
友好的3
家畜を守ったり、ネズミを駆除したりして、活躍していました。 ドイツでは昔からよく知られている犬です。ミニチュア・シュナウザーやジャイアント・シュナウザーが作られたときに、もととなった犬種です。

ステイリッシャー・ラフヘアード・マウンテン・ハウンド
オーストリアでも希少な猟犬。別名パインティンガー
飼いやすさ
初心者向き2
健康管理3
社会性・協調性4
状況判断4
訓練好き3
友好的4
1870年、カール・パインティンガー(シチリアの実業家)が、めすのハノーヴァリアン・セントハウンドとおすのイストリアン・ラフコーテッド・ハウンドの交配によって誕生したのが、この犬のルーツです。パインティンガーの別名があります。

スパニッシュ・ウォーター・ドック
災害救助にも活躍するウォータードッグ。別名ベロ・デ・アクア・エパニョール
飼いやすさ
初心者向き3
健康管理3
社会性・協調性5
状況判断4
訓練好き5
友好的3
ときには牧羊犬として働いていましたが、水場での活動も得意な犬種です。スペインのアンダルシア地方でよく見られるウォーター・ドッグですが、各方面で活躍する万能作業犬です。最近では、災害救助犬としても働いています。

スパニッシュ・グレーハウンド
洗練された姿と俊足が自慢のスペインの猟犬。別名ガラコ・エスパニョール
飼いやすさ
初心者向き1
健康管理3
社会性・協調性4
状況判断5
訓練好き3
友好的4
グレーハウンドは、古代ローマ時代に、ローマ人に連れられていた犬ですが、それがスペインにも同様に連れてこられたと考えられています。現在もなお、ウサギやキツネ、イノシシ狩りに活躍しています。別名はガラゴ・エスパニョールです。

スパニッシュ・ハウンド
警察犬としても活躍する優れた猟犬。別名サブエソ・エスパニュール
飼いやすさ
初心者向き2
健康管理3
社会性・協調性3
状況判断4
訓練好き2
友好的4
古い時代から北スペインに存在した犬種です。すでに中世に知られていたようです。確かなものでは、1582年の書物に記録か残っています。飼い主に忠実で、大型動物にも立ち向かう勇気は本種の特性事項として重要なポイントです。

スパニッシュ・マスティフ
オオカミとも勇敢に戦う護羊犬
飼いやすさ
初心者向き2
健康管理3
社会性・協調性3
状況判断3
訓練好き3
友好的2
他のマスティフと同じように、約2000年前にスペインへやってきたのだろうと考えられていますが、詳しいルーツはわかっていません。原産地のスペインでは、農場の家畜を守る仕事をしていました。

スハペンドゥス
スポーツ万能なオランダ犬
飼いやすさ
初心者向き4
健康管理3
社会性・協調性4
状況判断5
訓練好き4
友好的4
既に絶滅してしまったものと思われていた犬種です。1940年にオランダの土着犬の分類が行われているとき、生き残っていたスハペンドゥスが偶然、発見され、1968年に公認犬種となりました。

スムース・フォックス・テリア
疲れ知らずのテリアらしいテリア
飼いやすさ
初心者向き3
健康管理4
社会性・協調性3
状況判断3
訓練好き3
友好的2
祖先は昔のパーソン・ラッセル・テリアといわれています。16世紀のイギリスには既に存在しており、キツネ狩りやアナグマ狩り、イノシシ狩りなどのときに活躍していました。筋肉質で俊敏に動きますが、やや無謀なところもあります。

スムースコリー
脚力が強化された短毛のコリー犬
飼いやすさ
初心者向き3
健康管理4
社会性・協調性4
状況判断5
訓練好き5
友好的5
犬種としての歴史は19世紀初頭にさかのぼることができます。 本来は牧羊犬の仕事をしていましたが、猟犬として使われることもありました。そこで、足の速いグレーハウンドの血を入れて、スムース・コリーが作り出されたといわれています。

スモール・ガスコーニュ・ハウンド
小型動物の狩猟が専門。別名プチブルードガスコーニュ
飼いやすさ
初心者向き3
健康管理3
社会性・協調性4
状況判断4
訓練好き3
友好的5
グラン・ブルー・ド・ガスコーニュがシカやイノシシなどの大型動物の狩猟に用いられるのに対し、ウサギなどの小型の動物の狩猟に用いるために、グラン・ブルー・ド・ガスコーニュの体の小さなものから選択的に繁殖し、小型にしたものです。

スルーギ
並はずれた視力と俊足が自慢のサイト(視覚)ハウンド
飼いやすさ
初心者向き2
健康管理3
社会性・協調性5
状況判断4
訓練好き3
友好的3
もとは、北アフリカの遊牧民ベドゥインが家族のように大事に扱ってきた犬です。20世紀初めに頭数が激減したため、1960年代から繁殖計画がスタートし、頭数を増やしたものの、いまでも、あまり一般的な犬種ではありません。

スロヴェンスキー・ポインター
遭難救助にも活躍するスロバキアの猟犬。別名スロペンスキー・ハルポースト・スタバック 飼いやすさ
初心者向き1
健康管理3
社会性・協調性3
状況判断4
訓練好き4
友好的3
第二次世界大戦後に、チェスキー・フォーセクとジャーマン・ワイアーヘアードの交配によって、繁殖が始まりました。さらに、その子孫はワイマラナーの血が導入され、1975年にはチェコスロバキアのクラブで、1983年にはFCIによって公認されました。

スロバキアン・ハウンド
イノシシ狩りが得意なスロバキアの猟犬。別名スロペンスキー・コポフ
飼いやすさ
初心者向き1
健康管理3
社会性・協調性3
状況判断4
訓練好き2
友好的3
歴史は非常に古く、古代の東ヨーロッパに存在したセントハウンド(嗅覚的ハウンド)の子孫だということは確かなようです。イノシシ狩り専門に活躍しました。現在では原産国のスロバキアでもあまり見かけることはありません。

スロベンスキー・チュバック
スロバキア育ちの真っ白な大型犬
飼いやすさ
初心者向き1
健康管理3
社会性・協調性4
状況判断5
訓練好き5
友好的5
17世紀後半には、記録か残っていますが、狼が姿を消し始めたころ、この犬も絶滅しかけました。しかし、第二次世界大戦後に、獣医師の努力によって復活し、1964年にはスタンタード(犬種標準)が確立されて、公認されました。

せ行

セント・バーナード
全犬種の中で最重量級の頼れる人命救助犬
飼いやすさ
初心者向き2
健康管理4
社会性・協調性4
状況判断5
訓練好き2
友好的4
アルプス山中のセント・ハーナード修道院で飼われていた犬で、旅人の救助も行っていました。中でもハリー1世という犬は、1800年代に雪山の遭難者を40名も救助して、有名になりました。19世紀には広く飼われるようになりました。

遭難者の救助で活躍したアルプスの働き者
巨大犬が存在することを日本人に教えてくれた、スイス原産の番犬です。 この犬の特徴は、なんといってもその大ぶりな体躯で、アンコ型の力士を思わせます。 平均70kgはあり、もっとも大きな犬は136kgあったといわれています。 日本には1930年代に輸入されたのが最初ですが戦争でとだえ、58年ごろ再度輸入され、高度経済成長の波に乗って人気を集めました。 一時は年間登録頭が3000頭にせまるほどでしたが、他の巨大犬の登場やオイルショックによる景気の後退で伸び悩んでいます。

先祖犬はチベタン・マスティフで、中東をへてヨーロッパにもたらされた犬が、ながい年月ののちスイスにすみついたと考えられています。ピレネー山脈のマスティフ系の犬と血縁関係にあるといわれ、イタリアとの国境に近いアルプス山中のスイスの僧院に飼われるようになったのは17世紀中ごろのようです。番犬として活躍するほか、アルプスの遭難者の救助にもあたっていました。1814年に死んだ「オールド・パリー」は40名の雪中遭難者を救助したことで知られ、ベルンの博物館に剝製が飾られています。この偉業は速くイギリスにも伝えられ、当時の動物画家ランドシーアはこの犬による救助を絵にし、セント・バーナードの普及に一役を買いました。

当時はアルパイン・マスティフと呼ばれていましたが、1887年スイスの新犬極として公認された際、グラン・サン・ベルナール寺院にちなみ、現在の犬種名となりました。セント・バーナードは寺院名の英語読みです。 この犬が日本で評判になりかかった60年代前半、ちょうどドッグフードが発売されたことから、飼料会社が流行らせたのではないかと噂されたこともあります。 犬に聖をつけている例はきわめて珍しく、ベルギーの獣猟犬のセント・ヒューバート(多くの国ではブラッドハウンドと呼んでいる)があるだけです。 短毛(スムース) と長毛(ラフ)があり、毛色は白地に赤、赤地に白などです。

セントラル・エイジアン・シープドッグ
オオカミとも闘った昔の姿を今に残す中央アジアの護羊犬
飼いやすさ
初心者向き1
健康管理3
社会性・協調性2
状況判断2
訓練好き2
友好的1
ルーツは、6000年前にトルクメニスタンに存在した犬といわれています。古いマスティフの特徴を受け継ぎながら、長い間、周囲から隔離されていたため、昔の容姿をそのまま遣しているといわれています。勇敢で抜群のパワーを持ちます。

そ行

ドッグフード

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