犬に仲間意識や夫婦愛・親子愛・兄弟愛があるの?

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犬の仲間意識や愛について

オオカミ社会を見れば犬社会がわかるってホント?
犬の祖先は「オオカミが家畜化されたもの」というのが、現在もっとも有力説されている説であり、それから見れば犬の社会構造もオオカミから受け継がれてきているものだと想像できます。

確かに群れで生活をし、上下関係を重んじるという基本的社会性はオオカミと同じです。しかし先に述べたとおり、犬は「オオカミが家畜化されたもの」、すなわち、人間と関わる中で発展を遂げてきた動物です。ほとんど人間と関わることなく野生の中で生きるオオカミと、人間と密接な関係にある犬が同じ社会構造を持つというのは考えにくいことかもしれません。

例えは、犬はよく吠え、吠えることで何を伝えようとします。しかし、オオカミは子どものころ以外はほとんど吠えません。この違いは、人が犬の「吠える」という能力を強化することで生まれたものです。

また、野生であればイヌ科の動物はつがいで生活することが通常ですが、犬(イエイヌ)に限っては、ほぼ人間に交配を支配されています。それにより犬どうしの仲間意識や家族の位置づけも、野生の動物とは遣いが出てくるはずです。

つまり、犬には犬の社会性があり、それは人間と接する中で変化してきたものなのです。もともと持っているイヌ科としての習性と、人間社会の中で新たに生まれた習性。その両方が犬には存在しているのです。


夫婦のきずな
イヌ科の動物は一夫一婦制が常識なのです。
犬は1年に2度の繁殖期があり、その相手は毎回変わることもあります。まるで夫婦愛は存在しないように思えますが、本当にそうなのでしょうか?

犬の祖先であるオオカミは、1組の夫婦とその子どもたち10頭前後から成る家族単位の群れを形成します。群れの構成は多少異なりますが、イヌ科の動物のほとんどは特定の伴侶を持ち、一度伴侶を選んだらほかの相手とは交尾をしない、とても夫婦の絆が深い種なのです。実は犬にもこの特性は受け継がれています。

野生化したイエイヌといわれるディンゴは特定の伴侶を持ちます。飼われている犬でも、オス、メスを長期間、比較的自由な環境で飼えば一夫一婦制を築くという例も報告されています。ただ、長い間、人に交配されてきたことで、現在の犬はその習性が薄まっているのは確かです。

親子愛
どの世界も母は強し!子育てに見る親子愛。
犬の子育てのシステムは人間とよく似ていて、綬乳の期間が長く、離乳後は離乳食(半固形物)で胃を慣らす必要があり、社会的コミュニケーションを教えるのにも時間がかかります。最近では、まったく子育てをしない犬もいますが、だいたいの場合、母犬はかいがいしくこれらの作業を行っていきます。

それは「愛」というより「本能」が強いのかもしれません。おそらく妊娠中の母犬は、自分の体に何が起こっているのか理解していないでしょう。しかし、出産直前になると出産するための穴を掘り、出産後は付きっきりで子犬を守ります。生後1週間は父犬でも近づけないほどです。初産でも、すべてわかっているかのように世話ができるのは、種として生き残っていくために培われてきた、とても強い本能があるからではないでしょうか。

兄弟愛
「いっしょに遊んで楽しかった!」という記憶は残るかもしれません。
犬にとってきょうだいとは、いっしょに遊ぶことで犬社会のルールを学ぶ友だちであり、主人の愛情をめぐって戦うライバルでもあります。ただ、このような分け方は人間から見た場合であり、犬にとっては「仲間」という意識がある程度。

それもいっしょにいる間のみの認識です。現代の犬の多くは、生後1~2か月で親やきょうだいから離されます。離れて1~2年もすればお互いの存在は忘れてしまうでしょう。

でも「昔遊んで楽しかった」という記憶は残るのかもしれません。犬は遺伝的なにおいを感じ取れるといわれています。きょうだいどうしが再会したときによろこぶのは、「このにおいのする犬と遊んで楽しかった」、「なんか近いにおいがする」と親近感を覚えるからではないでしょうか。

友情
友情というより、好き、嫌いをにおいで判断しているのかも。
犬どうしが対面したとき、会ってすぐ仲よくなることもあれば、お互い無関心を装うこともあるでしょう。このような「犬どうしの相性」は何で決まるのでしょうか?

それぞれの犬の性格や、過去に大きな犬に襲われたことがあるなどのトラウマも大きく関係しますが、そういったことを取り除いた場合、においによって判断しているのではないかといわれています。近親交配を避けるため、自分とは近からず、遠からずのにおいを好むということは人間の間でもいわれていること。

ましてや視覚が弱い犬は、においによる判断がより多く占めることが想像できます。最初に対面したときの「においかぎ」の時点で本能的に好き、嫌いを感じ取っているのではないでしょうか。犬にとってにおいとは、コミュニケーションをも司る、大切な情報源なのです。

おしっこに秘められた犬の履歴書
性別から体調まで、かなり細かい個体情報がわかるようです。
犬のオシッコにはさまざまな情報か詰め込まれているといわれています。現段階では明確な根拠があるわけではありません。しかしオシッコをした犬の性別、その日の体調、自分のオシッコかほかの犬のオシッコかという遺伝的情報などは嗅ぎ分けていると考えられています。まさに、自分のことを紹介する名刺代わりといったところですね。


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