犬の飼い主なら知っておきたい行動別の詳しい意味

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犬の行動について

吠える
激しく吠えられると、ついうるさいなどと思ってしまうもの。でも、犬には激しく吠えて飼い主に伝えたいことがあるのです。

犬がワンワン吠えるのは、注意を引きたいときや、危険を感じたとき、ストレスを感じたときなど、様々な理由があります。また、犬種によって、吠え方が異なる場合があります。たとえば、小型犬は鳴き声が高く、大型犬は低く大きな声を出す傾向があります。

犬にとって吠えるとはどういうこと?
犬が吠えるのは、そのシチュエーションによりさまざまな意味があります。縄張り意識や不安・恐怖心が原因で吠える。攻撃作動の最初のサインとして吠える。わたしたちに何かを知らせるために吠える。散歩に行きたい、ごはんが欲しいなど要求で吠えるなど。また、仕事をしたという満足感を得るために吠えたり、周囲の犬の声につられて吠えたりと、本能的な理由が原因の場合もあるのです。

しかし、その根本、犬にとって「吠える」とはコミュニケーションのひとつだということを忘れてはいけません。犬は感情をとてもストレートに出す動物。 「吠える」という行動は、まだ言葉が話せない人間の赤ちゃんが発する泣き声と同じなのです。よく吠える犬に対しても、そのコミュニケーションを奪おうとするのではなく、「どう付き合っていくか」を考えてみましょう。吠えることで犬が何を訴えているのか、何が原因で吠えているのかを理解し、生活の中でどう折り合いをつけていくかが大切なのです。

咬む
犬にとって咬むとういうこと?
犬にとって咬むということは、攻撃だけを意味するものではありません。 人間が手を使って物を持ったり、何かをたたいたりと、いろいろなことをするように、犬はそれらをすべて口で行っているのです。つまり、犬の咬むには、攻撃咬み、甘咬みのほかに、物を確かめるために咬むという役割があるのです。

「甘咬み」と「攻撃咬み」について説明しましょう。 本来、子犬はきょうだいどうしでじゃれ咬みをしながら遊びます。そして、どの程度強く咬んだら相手が痛かるのか力の加減を、自然と学習していくのです。

しかし、幼いころからほかの犬と遊ぶ機会の少ない犬にはこのような体験が少なく、咬む力加減がわからない犬もいます。 そんな犬は、最初は遊びの甘咬みのつもりでも成長とともに力も強くなり、攻撃のつもりはなくても思いがけず人間にケガをさせてしまう場合もあるのです。

また、犬が攻撃で咬む場合は、強い恐怖が原因となっていることが多く、十分な社会化を行っていない犬によく見られます。決して自らケンカをしたくて攻撃的になっているわけではないのです。

排泄
犬にとって排泄とは?あちこち排池するのは犬の本能?
犬にはもともと1か所で排泄する習慣はありません。あちこちに排泄することは、犬の祖先であるオオカミから受け継いだ本能のひとつだからです。

オオカミは土の斜面などに掘った穴を寝床にして生活し、寝床を汚さないように自分の巣から離れたところで排泄する習性があります。犬も同じで、自分で歩きまわれるようになると、自分の寝床を汚さないように離れた場所で排泄しようとするようになるのです。ですから、あなたの犬がトイレ以外で排泄したとしても、特定の排泄場所を持たない犬にとっては自然なことであり、悪いことだとは思っていないのです。決まった場所で排泄してほしいというのは人間の都合なので、飼い主さんがきちんと教えてあげなくてはいけません。犬がトイレ以外で排泄したとしても、悪気はないということを頭に入れておきましょう。

また、犬の排泄行動は、自律神器系の支配を受けているため、恐怖、不安、興奮などの影響を受け、調節を乱しやすいもの。今までトイレで排泄していても、急にできなくなり粗相をすることもあります。そんなときに叱ると、犬は排泄行為を叱られたと受け取ってしまいます。叱る前に原因を考えてあげましょう。

マーキングは自分の存在を主張する本能行動
犬は片脚をあげ、あちこちにオシッコをかける行動「マーキング」をします。 自分の存在をアピールする本能的行動で、普段の排泄とは全く別です。マーキングのきっかけは、散歩中に発情している犬に会う、家の中が普段と違う状況になることでよく始まります。新しいにおいに敏感に反応しているのです。

いたずら
いたずらの多くは、犬の本能によるものだった!
思わず「コラ」と怒鳴りたくなるようないたずらを犬はすることがあります。盗み食いをする、物を咬む、物を隠す、穴掘りをする、動くものを追いかけるなど、犬によっていたずらはさまざま。

でも叱るのは、ちょっと待ってください。 人間には一見いたずらにしか見えない行動でも、実のところその多くはいたずらではなく、本能に基づいて行動しているだけのこともあるのです。

例えはゴミ箱のいたずら。ゴミ箱をのぞいて、食べ物を発見するなど、一度いい思いをしてしまったため、繰り返してしまっているだけなのです。飼い主を困らせたとしても、決して悪気があってやっているわけではないことを心にとめておいてください。とはいっても、人間の社会で生活している以上、犬にもガマンは必要です。

本能に基づいているからといって全部を許していては、飼い主にとっても犬にとっても大変なことになります。また、本能以外にもストレスが原因になったり、飼い主の関心を引きたくて行う場合もあります。何でその行動をとるのか、犬の本能や習性を知って、じっくり対処することが大切です。


ドッグフード 睡眠
放っておくと寝てばかり
犬は1日どのくらい寝るの?
犬は人間に比べ、はるかに長い時間を寝て過ごします。成犬の睡眠時間は1日12~15時間で、起きている時間でも約半分は座ったり伏せたりして過ごすそうです。子犬は1日約20時間も眠ります。成犬にとっても子犬にとっても、寝たり起きたりして過ごすことは正常なことであり、そうすることで体力を蓄えているのです。

また、人間の睡眠にレム睡眠(深い眠り)とノンレム睡眠(浅い眠り)があるのと同じように犬もこの2種類の眠りを繰り返しているのです。 1日の睡眠時間のうち約8割が体と脳が休息している浅い眠りで、このときに物音がしたり、声をかけられたりすると、パッと目を覚まします。いつ外敵が現れてもいいように常に警戒態勢にあるのです。脳が活発に動いている深い眠りは約2割。このときは、ちょっとのことでは起きない熟睡の状態です。

愛犬の健康の基本は睡眠から。睡眠時間が十分でないと、肉体的にも精神的にも不調が出やすくなります。しっかり眠れるよう、人の出入りが激しくない場所にハウスを置いたり、タオルを敷いたりするなど環境を整えてあげましょう。

丸まって寝る
犬が丸まって寝るのは、安心感を得るためです。身体を小さくまとめることで、身を守ることができると感じるため、自然な行動です。また、犬が寝ているときに身体を触ったり、起こしたりするのは、ストレスになる場合があります。

犬の睡眠時間はきっちり確保!
本来、犬は夜行性の動物です。野生の中では、昼間は眠り夜間に狩りをします。 しかし、ペットとしての犬は、狩りをする必要はありません。ほとんど飼い主の生活パターンに合わせて活動します。昼に活動して夜に眠る昼行性ですから、飼い主が遅くまで起きていたりすると、犬も寝不足になることがあります。犬が落ち着いて眠っているか、子犬の場合は、遊びすぎで疲れていないか注意し、きちんと睡眠時間を確保してあげましょう。

食事
犬にとって食べることは最大のよろこび
犬の生活のなかで、食事はいちばんの楽しみといっても過言ではありません。 犬は味や変化を楽しむというよりは、満腹感を得ることでよろこびを感じるのです。しかし、犬の欲しがる分だけごはんをあげていては、肥満や病気の原因になります。

カロリーや栄養バランスを保ちつつ、犬が満足感が得られるような工夫が必要です。ダイエット用フードなどを活用し、その分量を増やしてあげるとよいでしょう。缶詰のフードは、それに慣れてしまうとドライフードに戻すのが難しくなることもあるので与え方に注意を。 手作りフードは栄養バランスを考え、できれば2食のうち1食は総合栄養食のドライフードにしたほうがいいでしょう。

飼い主さんが気をつけてあけたいこと
いちばん大切なのは栄養バランス。与えるフードの量は包装に表示してありますが、運動量やその犬の代謝率によって必要量は変わるので、あくまでも目安として考えます。ドライフードは酸化が早いので、大きい袋を購入するよりも、こまめに買ったほうが劣化は避けられます。

できれば、同じものを与え続けるのではなく、何種類か食べられるようにしておくとよいでしょう。必然的に普段食べているものと違う食事をとらなくてはいけなくなるペットホテルを利用する場合や、いざ入院となったときに役立ちます。 おやつも1日に与えるカロリーの一部と考え、与えすぎないようにしましょう。

歩く
なぜお散歩が必要なの?
散歩は犬にとって最高の幸せタイム。 どれだけこの時間を待ちわびているかは、散歩の準備をしているときの犬のソワソワした態度を見れば、一目際然です。

散歩は歩くことで運動になるほか、散歩の道すがら、いろいろなものを見たり、においを嗅いだりすることで、家の中の生活だけでは感じることのできない、よい刺激を得ることができるのです。また飼い主とのコミュニケーションを図れる楽しいひとときであり、仲のよい犬や大好きな人と会える貴重な時間でもあるのです。これらのふれ合いを通して、犬は社会性も身につけていきます。

このような楽しい散歩の時間は、犬のストレス解消につながります。ずっと室内にこもってばかりいると、犬も人間と同じでストレスが溜まりやすくなるのです。このストレスがしつけに影響を及ぼしたり、むだ吠えや咬むなどの問題行動の原因となることも。外へ出て、よい刺激を受けることで、犬はその日のストレスを一気に解消できるのです。

どのくらい運動ができ、どのくらいリフレッシュすることができたか。散歩は体と心の両方を満たしてあげることが大切なのです。自分の家以外の環境を知り、たくさんの経験をさせるためにも、散歩の回数は多ければ多いほどよいので、1日1回といわず、ちょっとした外出でも連れ出してあげたいものです。

犬が心も体も満足する散歩とは?
ただ歩くだけより、さまざまな変化や学習要素を入れることで、犬の頭を刺激する、より充実した散歩タイムを過ごすことができます。土やアスファルトなどいろいろな道を歩いたり、ときにはコースを変えたりするとよいでしょう。お決まりのコースでも最初の10分は走る、公園についたらおもちゃを使って遊ぶ、帰りは「ツケ」で歩く練習をしてみるなど、メリハリをつけるのもオススメです。心と体を満たす散歩にでかけましょう。

遊び
犬にとって遊びは必要不可欠
子犬は遊びを通して犬としての社会性を養っていきます。子犬のときにできるだけたくさん遊ばせることがとても重要です。いろいろなところへ連れていき、ほかの犬にも会わせて社会経験を豊富に積ませましょう。そうすることで刺激に対して適応力のある、安定した性格の犬に感長します。室内飼いの場合は運動不足からストレスも溜りやすくなります。犬の習性を理解してその欲求を満たしてあげる遊びが必要です

犬が飼い主との遊びで得るものとは?
犬は成長するにしたがい、単純な遊びから、より高度な遊びをするようになっていきます。もともと犬の遊びは、将来行う狩りの練習のようなもの。犬を満足させるには、狩猟本能を刺激するような遊びがよいのです。引っぱりっこや追いかけっこはよろこんでやるでしょう。

また、犬種別特性から、あなたの犬の好きな遊びをさらに分析できます。例えば、獲物を回収したり、獲物の位置を人に知らせる仕事をしていた犬種であるレトリーバーなどは、何かを探して持ってくる遊びが大好きなのです。 とはいえ、犬に遊ぶタイミングも種類も選ばせるのではなく遊びの主導権は飼い主が握ることが大切。遊びの始めと終わりはあなたが決めましょう。普段の遊びを通して、きちんとしつけることが重要です。

その他の行動
尾の振り方で表す気持ち
犬は、尾の振り方で自分の気持ちを表現します。尾を振るのは、喜んでいるときや挨拶するときなど、ポジティブな状況が多いです。また、尾を下げるのは、怖がっているときや悲しいときなど、ネガティブな状況が多いです。ただし、犬種によって、尾の振り方が異なる場合があります。

顔の表情で気持ちを表す
犬の顔の表情も、気持ちを表すポイントのひとつです。たとえば、舌を出しているのは暑いときや疲れているとき、目を細めているのはリラックスしているとき、威嚇しているときは目が光っていて唸っているなど、表情で犬の気持ちを判断することができます。

しっぽを振る
犬がしっぽを振るのは、喜んでいるときや興奮しているときなど、ポジティブな状況が多いです。ただし、しっぽを振ることが、必ずしも喜びや興奮を表すわけではありません。しっぽの振り方や、同時に取る行動(たとえば、身構える、唸るなど)によって、気持ちのニュアンスが変わってきます。


跳ねる
犬が跳ねるのは、喜んでいるときや、興奮しているときなど、ポジティブな状況が多いです。また、人に飛びつくときは、遊びたいときや、愛情表現をしているときもあります。ただし、跳ねたり飛びついたりする行動は、人にとっては迷惑なこともあります。しつけや訓練を通じて、犬の行動をコントロールすることが大切です。

グルーミングをする
犬は自分自身を清潔に保つため、グルーミングを行います。舌で身体を舐めたり、毛づくろいをしたりすることで、毛や皮膚を清潔にし、健康を保ちます。また、グルーミングは、ストレスを軽減する効果もあります。


以上が、犬の代表的な行動についての解説です。犬の行動を観察することで、その気持ちや状況を理解することができます。犬とのコミュニケーションを深めるためにも、日常生活での観察や、しつけや訓練に取り組むことが大切です。


犬を飼うために必要な10つの項目

犬とのよりよい関係をめざして
犬は動物であって家畜です。家畜とは、人間に飼い慣らされた特定の動物のことで、危害を与える心配がなく、知識があって十分な配慮があれば誰でも飼育することができます。

そのなかで犬がもっとも身近なのは、家畜としての歴史が長く、人に対して特に従順だからです。とはいうものの、それはしっかりと管理がなされているからで、しつけを怠ったり不当に扱われると反抗したり手のつけようがない乱暴な行動にでたりします。

犬の立場からいいますと、主人や人間に気に入られようと必死に努力しているのであり、人間もまたそれにむくいなければなりません。 その信頼関係によって両者の心が結ばれていることを理解しておく必要があります。

近年は愛玩犬・小型犬だけでなく、中・大型犬も室内で飼育する人が多くなりました。 戸外で十分な運動や散歩をさせたうえ、室内に招き入れてスキンシップをもつことは、素晴らしいことです。日本の伝統的な飼育は、犬は外、人は内でした。

舗装された道が少なく、畳・障子が中心の日本家屋だったこともありますが、人間と犬の居住空間がはっきりと区分されていました。こういう飼育の方法では、犬は犬なりの判断である程度行動が自由なため、しつけに万全を期すことは不可能でした。やはりいつでもいっしょに生活していることで、注意深い観察ができ、しつける機会が生まれるものです。

私たちが小さいときから幼稚園や保育園に通い、小学校、中学校で学ぶのは、なにも勉強のためばかりではありません。人間として社会生活に適応できるようなルールやマナーを知らず知らずのうちに学んでいるのです。 そうして他人に迷惑をかけず、お互いが快適な生活を送るよう注意しあっているのです。

しかし、犬を飼うことで飼育者が生活を乱され、近隣が迷惑するようでは困ります。 (社)日本愛玩動物協会では、ペットと人間のよりよい関わり合いの原則として次の10項目をあげています。

1.愛情と信頼者を貫くこと
2.ペットの習性についてよく知ること
3.それぞれの個性をよくつかむこと
4.無原則的な獲し方、ねこかわいがりをしないこと
5.自分の生活条件にあった飼養管理をすること
6.動物に無理な要求をしないこと
7.環境の変化について十分な配慮を行うこと
8.法律上の知識をもつように心街ける
9.動物の健康管理に留意する
10.ペットショップや獣医師との関係を緊密にしておくこと
以上のような点について努力を惜まない方だけが、本当に犬を飼う資格のある方だと思います。


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