犬は言葉を話せないけどコミュニケーションがとれるのはなぜ

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犬とのコミュニケーション方法

犬はなんで言葉が話せないの?
犬は鼻の機能が発達したため、発声機能は備えられなかったのです。 犬が人間のような言葉を話すことができないのは、発声できる音域がとても狭いため、言葉の発達にはいたらなかったからです。

犬が生きていくためには、音を発する機能よりも狩りに必要な機能、すなわち走りながらにおいを嗅ぎ分けることができる発達した気道と、獲物を仕留めるための強靭な鼻口部が必要でした。そのため、言葉の発声に、必要な機能を備えることができなかったのです。

過去の猿人の姿を想像してみてください。人間もかつては頑丈な鼻口部を持っていましたし、嗅覚も今よりは優れていたはずです。

しかし、狩りに道具を使うことで鋭い歯は、必要なくなり、鼻口部は短くなりました。変わりに柔軟な動きができる口元と声帯を手に入れたのです。 においを嗅ぎ分ける機能も退化していったわけですが、これは、犬が「においを嗅いで獲物を見つける」という役目を担うようになったからかもしれません。

犬どうしは、どうやって会話をしているの?
声や姿勢など、共通のサインがあるのです。 犬が言葉を話せないからといって、会話ができないわけではありません。群れで生活していくためには情報交換や意思の疎通は欠かせないもの。人間のコミュニケーション方法も、「話す」ことがメインだと思われがちですが、実は言葉以外のコミュニケーションは、最高で80%を占めることがあるといわれているのです。

言葉が話せない犬は、人間よりもさらに多彩なサインを使っているのではないのでしょうか。現在わかっているのは、犬の会話は主に視覚・聴覚・嗅覚の3点において行われているということです。

視覚はボディランゲージ、聴覚は吠え声、嗅覚はにおいによる情報交換・意思伝達の方法を指します。とくに犬は、ほかの野生動物と比べてよく吠える動物です。犬を飼っている人は、吠え声によって犬がいろいろと伝えようとしていることは、すでに実感されていることでしょう。それはまさに、犬だけが発達させた犬語なのかもしれません。

犬語に方言はあるの?
方言はありませんが、犬ならみんな犬語が通じるとは限りません。 犬語とは、人が作り出した「言葉」という暗号とは異なり、感情がストレートに声やボディランゲージとして表れる「感情表現」です。

わたしたち人間も、笑っていれば「うれしいんだな」、涙を流していれば「悲しいのかな」と相手の気持ちを理解します。それと同じです。そのため、方言のように地域による違いが出るとは考えにくいでしょう。

ただ、個体差によってサインが通じにくいことはあります。犬語には、生得的なものと社会化期の程度により、ホディランゲージをじょうずに使えない、読み取れないという差が生じることがあるのです。

また、垂れ耳の犬や断耳、断尾されている犬は、じょうずにボディランゲージのサインが伝わらないことも多々あります。そのため現在は、背中の毛を逆立てるなど、一部の視覚的サインの役割が弱まっているようです。

犬どうしのあいさつってどんなことするの?
基本はにおいを嗅いでお互いの情報を交換します。 犬どうしが対面すると、まず行うのがお互いのにおい嗅ぎ。これが犬流のあいさつなのです。体のいろいろなところを嗅ぎ合いますが、とくに、においを嗅ぎたがるのがおしり。

犬の肛門付近には「肛門のう」という袋があります。その中に貯蔵されている分泌液は、動物によって揮発性成分や構成成分が異なり、犬はこの違いを嗅ぎ分けることで、ほかの犬を識別しているといわれています。犬どうしであっても分泌液にはかなり個体差があるようで、分泌量、色、相対的なにおいなども日によって異なるのです。

しかし、わたしたちがある一定のにおいを嗅いでいると、いずれそのにおいに慣れてしまうのと同じように、犬も特定のにおいを一定時間嗅ぎ続けると、そのにおいがわからなくなります。何度も同じ犬のにおいを嗅ごうとするのは、そのためかもしれませんね。

犬は人の言葉を理解している?
人の体全体から言葉の意味を読みとります。 言語を使うにはふたつの能力が必要です。ひとつは言葉を「理解する」能力、もうひとつは言葉を「使う」能力です。

人間の赤ちゃんが「話す」よりも先に、言葉に反応することからもわかるように、「使う」より「理解する」ほうが簡単であり、先に発達するのです。 犬は体の構造上、言葉を使う能力は持っていませんが、理解能力はわたしたちが思う以上に優れているのではないでしょうか。

犬の知能は人間の2歳児程度といわれます。つまり2歳児の言語能力、200語近い言葉を理解していると考えられるのです。さらに犬は抜群の洞察力で、単語と単語の間に隠された言葉を読み取ります。飼い主が言葉を発するときの体の動き、声のトーン、表情、目の動きまでしっかりキャッチし、そこから飼い主が何を示そうとしているかを理解するのです。犬が人の気持ちに敏感だといわれるのは、このような些細なしぐさまで捉えているからなのかもしれません。


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