全犬種の飼いやすさの評価と特徴を解説│あ行

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あ行

アーフェンピンシャー
ドイツ生まれのサル顔ピンシャー
飼いやすさ
初心者向き3
健康管理3
社会性・協調性3
状況判断2
訓練好き2
友好的2
ネズミ駆除犬として活躍していたドイツのピンシャーを、17世紀に改良して作り出された犬です。猿顔をしているため、猿のようなという意味のドイツ語アッフェンが犬種名のもととなりました。

アイスランド・シープドッグ
狩猟犬から牧羊犬に転職したアイスランドの土着犬
飼いやすさ
初心者向き1
健康管理3
社会性・協調性4
状況判断4
訓練好き2
友好的4
アイスランドに唯一土着していた犬種と考えられています。874~930年ごろに、バイキングと共にアイスランドに移住しました。狩猟犬として使われましたが、家畜を追ったり、羊を誘導したりする仕事に用いられるようになりました。

アイディ
アトラス山脈でヤマネコと闘うマウンテンドック。別名シャン・ド・アトラス
飼いやすさ
初心者向き2
健康管理3
社会性・協調性2
状況判断3
訓練好き3
友好的3
別名シャン・ド・アトラス。モロッコからアルジェリアにかかるアトラス山脈が原産のマウンテンドッグです。1963年にアトラス・シープドッグで公認されましたが、実際にはシープドッグではなかったため、1969年に公認が取り消されていました。

アイリッシュ・ウォーター・スバニエル
カーリーヘアーが特徴の水の達人
飼いやすさ
初心者向き2
健康管理3
社会性・協調性3
状況判断5
訓練好き4
友好的4
古い犬種で、1607年の文書に記録があります。1841年以降に世間に知られるようになり、1859年に初めてドッグ・ショーに登場しました。その後、アメリカで人気犬種となり、1875年にはアメリカで3番目の人気を得るほどになりました。

アイリッシュ・ウルフハウンド
世界一の体高を誇る巨大犬
飼いやすさ
初心者向き3
健康管理3
社会性・協調性4
状況判断5
訓練好き4
友好的5
歴史は古く、古代ローマ人が記録しています。当時から狼やオオジカの狩りに使われていたようです。狼が絶滅して需要がなくなったり、外国に輸出されたりして、19世紀には絶滅しそうでしたが、残ったウルフハウンドと近縁の犬で再生されました。

オオカミ猟で活躍したアイルランドの大型犬
現存する犬のなかでは、もっとも体高が高い犬として知られているアイルランド原産の大型ハウンドで、荒々しい、粗毛と精悍な顔貌が最大の特徴となっています。理想的な体高は、雄で81-86cmといわれていますが、最高の犬は95cmあったと伝えられており、アイルランドに多かったオオカミ退治に向くよう大型化が図られたことが原因です。

グレーハウンドの系統の犬と考えられており、アイルランドには10世紀ごろからいたようです。スコティッシュ・ディア・ハウンドの影響を受けたとする説もありますが、この犬によってディア・ハウンドが誕生したと考えるのが正しいと思われます。 オオカミが姿を消した19世紀初頭には忘れ去られた犬となっていましたが、19世紀末にこの犬の存在を信じたグラハム大尉が生き残りの数頭を発見、犬種の復興を果たしました。 日本には100頭前後が飼育されているだけです。毛色はグレー・ブリンドルが主流です。

アイリッシュ・グレン・オブ・イマール・テリア
もさもさ頭がかわいいアイルランドのテリア
飼いやすさ
初心者向き4
健康管理3
社会性・協調性4
状況判断4
訓練好き3
友好的3
1575年に書かれた書物の中で紹介されています。アナグマやキツネ、カワウソなどの狩猟のときの猟犬として利用されていました。かつては闘犬として使われたこともあります。アイルランドのイマール渓谷が名前の由来です。

アイリッシュ・セター
つややかな被毛が華麗なやんちゃ犬
飼いやすさ
初心者向き3
健康管理3
社会性・協調性3
状況判断4
訓練好き4
友好的4
この犬種の歴史については諸説ありますが、15世紀頃には存在していたと考えられています。鳥猟犬として作り出されましたが、ウサギや鹿の猟にも対応できます。猟のときには、見つけた獲物の位置を、しゃがみこんで、ハンターに知らせます。

金栗色の長毛と優美なスタイルで愛される狩猟犬
アイルランドを代表する金栗色の長毛の大型犬です。その優美なスタイルと被毛の美しさプラス狩猟能力の高さから、家庭の婦人からもハンターからも愛されてきました。 ガンドッグ・グループに属する犬は、その名のとおり銃猟の開発とともに栄えてきたのが特徴で、この犬も例外ではありません。鉄砲は1500年代はじめに発明され、やがて散弾銃が登場するようになると、鳥猟に大きな変化がみられるようになりました。それまでは木の枝などに止まっている静止した状態の鳥を弓矢で射るか、広く張りめぐらした網の中に追い込むだけで、鳥猟は効率の悪いものとされていました。しかし散弾銃の開発で飛んでいる鳥も対象となったのです。

ただし、鳥は上空高く飛んだり、ハンターが待ち伏せをしている道筋を飛ぶとは限りません。そこで考え出されたのが、草むらの中て餌をついばんでいる鳥に接近し、飛び上がったところを撃つ方法でした。しかし、残念ながら人間の能力では草むらの鳥の所在を発見できません。そこで聴覚や口臭覚がすぐれている犬に頼るようになったのです。 その場合、肝心なのは、鳥に気づかれず接近することとハンターに獲物の在りかを明確に指示し、鳥を草むらから追い出す命令があるまでじっと我慢している犬でなければならいないことです。猟野へ出て、はしゃぎ回るような犬では役に立ちません。ハンターの命令一下、鳥を追い出し、驚いて飛び上がった鳥が飛行方向を見定めようと低空でちゅうちょした瞬間を狙うわけです。

次に重要なのは、獲物の回収です。獲物は草むらなどの陸上に落ちるとは限りません。川や沼などの水の中に落ちることもあります。したがって泳ぎの達者な犬が要求されました。さらにガンドッグには忍耐強さや絶対服従が期待され、これがガンドッグの性格を著しく防止させる原因となりました。 セターの仲間は、鳥の所在を発見すると身を伏せ(セッティング)て合図するようにしつけられて、これが犬種名となっています。 アイリッシュ・セターの先祖は古いレッド・スパニエルといわれており、以前は毛色的に3系統ありましたが、ドッグショーへ参加するようになって金栗色が期待され、現在はこの一色だけとされています。日本でも古くから飼育されてきましたが、実猟犬は登録されないこともあり、5万頭近い犬がいるものと思われます

アイリッシュ・ソフトコーテッド・ウィートン・テリア
アイルランド最古のテリア
飼いやすさ
初心者向き3
健康管理3
社会性・協調性2
状況判断4
訓練好き3
友好的4
19世紀に、農家でネズミなどの小動物の捕獲犬や番犬として働いていた犬がルーツのようです。1937年にアイルランドのケンネルクラブで公認され、1943年には、イギリスでも公認されました。

アイリッシュ・テリア
アイルランド出身の勇敢なテリア
飼いやすさ
初心者向き3
健康管理3
社会性・協調性2
状況判断3
訓練好き2
友好的2
アイルランド南部のコーク州で作り出され、何世紀も前から存在していた犬です。現在の姿に固定されたのは1875年といわれています。アナグマやウサギ、ネズミを捕らえる猟犬として利用されていました

アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セター
白地に赤の模様が美しいアイルランドの鳥猟犬
飼いやすさ
初心者向き3
健康管理3
社会性・協調性3
状況判断4
訓練好き4
友好的4
古い歴史を持ち、16世紀の記録にあります。17世紀になると、多くの絵に描かれるほどの人気犬種となりました。一時期、絶滅の危機にありましたが、復活を果たし、1989年にFCI (国際畜犬連盟)に公認されました。

秋田犬
日本が世界に誇る大型犬
飼いやすさ
初心者向き3
健康管理4
社会性・協調性3
状況判断4
訓練好き3
友好的2
秋田マタギという中型犬が祖先ですが、闘犬として大型化され、19世紀後半、シェパード、グレート・デーンなどの洋犬や土佐犬との交配が行われました。日本の代表犬種として外国でも公認され、1931年には天然記念物に指定されました。

骨太で力強く巻いた尾が特徴の日本犬中最大型犬種
国犬といわれ、日本犬のなかでは一番大きな犬です。もともと秋田県地方の猟師がクマなどの獣狩りに用いた秋田またぎ犬を、1630年代この地方の藩主だった佐竹侯が、武道を奨励するため闘犬として活用したことからしだいに大型化が図られ、大正時代にほぼ現在の体型になったといわれています。 明治以降外来種の犬がもてはやされ、秋田犬と交配された時代がありましたが、日本犬保存が叫ばれていた昭和6年天然記念物に指定され、また忠犬ハチ公の主人想いが新聞で報じられ、同じころJR山の手線渋谷駅前に顕彰像が建てられたことなどから人気化し、広く知られるようになりました。第2次大戦後、一時出羽系の肥満タイプの秋田犬が人気を集めましたが、1960年代素朴さをもったーの関系が見直され、標準犬種となって現在に至っています。しかし、戦後日本に進駐してきたアメリカ兵士が出羽系の秋田犬をたくさん連れ帰ったことから、欧米では日本で見られないタイプの秋田犬が多数飼育されるようになっており、今後に問題を残しそうです。 特徴は、なんといっても古武士のような素朴な風格と骨太な頑健さにあります。毛色は、赤、虎、胡麻、白などで、白以外の毛色は裏白が条件となっています。尾は太鼓巻といわれるように、大きく力強く巻いていなければなりません。

アザワク
サハラ砂漠を駆け巡っていた猟犬
飼いやすさ
初心者向き1
健康管理3
社会性・協調性3
状況判断4
訓練好き3
友好的3
祖先は謎ですが、サハラ砂漠南部の遊牧民卜ゥアレグ族に飼われていました。抜群のスタミナを武器にして、獲物を追いかけ回し、弱らせるという方法で、狩りを手伝ってきました。1981年に公認犬種となりました。

アナトリアン・シェパード・ドッグ
トルコで紀元前から番犬として活躍していた
飼いやすさ
初心者向き2
健康管理5
社会性・協調性4
状況判断5
訓練好き5
友好的3
歴史ある犬種で、少なくとも紀元前1800年にはトルコにいたという記録があります。何世紀もの間、ほとんど姿を変えることなく、家畜を守る仕事をしていました。1950年代にアメリカに輸入され、人気犬種となっています。

アフガン・ハウンド
気品に満ちた美しさが魅力の古代犬
飼いやすさ
初心者向き2
健康管理3
社会性・協調性4
状況判断3
訓練好き2
友好的2
似た犬が古代エジプトの遺跡から発掘された工芸品に描かれています。原産地のアフガニスタンでは昔、遊牧民がウシ科の動物やウサギを狩るときの猟犬として使っていました。イギリスに来たのは19世紀後半になってからです。

ノアの方舟に乗ったと信じられる優美な獣猟犬
この犬の走る姿は、まさに感動ものです。全身をばねのように使用して跳躍する躍動感あふれる走法や、ふさふさした長い被毛が風をはらんで柳の葉のようにゆれる様子は、競馬ウマのそれと比較しでも決して劣るものではありません。ドッグレースは日本を除く東南アジアや欧米で広くおこなわれており、一般大衆のレジャーとして高い支持を得ています。競馬が昼の開催であるのに対し、ドッグレースは夜間開催であり、それに競馬場ほど広いフィールドを必要としないことから市中にレース場が設置されているところが多く、仕事帰りに簡単に足を運べることが魅力となっています。

現在、レース犬として使用されているのはグレーハウンドだけで、アフガン・ハウンドは使用されていません。走力においてグレーハウンドに劣るとは思われないこの犬がレースに用いられないのは、その長毛のせいです。どんなレースでも着順をはっきりさせるため、ゼッケン(背番号)を背負っていますが、アフガン・ハウンドは長毛のためゼッケンが見にくい難点があり、これがネックとなっています。アフガン・ハウンド・ファンにとっては残念なことでしょう。 この犬は犬種名のようにアフガニスタン原産の獣猟犬です。獣猟犬にはダックスフンドのような短脚長胴で獲物の嗅跡をじっくり追いかけるものと、このアフガン・ハウンドのように長肢を利してスピードで獲物を捕捉する犬があり、後者は視覚型ハウンドと呼ばれています。アフガニスタンとその周辺の山岳地帯で太古の昔から遊牧民の猟犬として愛され、「ノアの方舟」に乗船を許されたのはこの犬と、アフガニスタンでは信じられてきました。毛色に制限はありません。

アベンツェル・キャトル・ドッグ
現役の牛追い犬として活躍するスイスのキャトルドッグの中では中型犬
飼いやすさ
初心者向き1
健康管理4
社会性・協調性3
状況判断4
訓練好き4
友好的2
世間に知られるようになったのは、19世紀半ば、初めて活字で紹介されてからです。今でも、スイスのアベンツェラーラントでは、キャトル・ドッグとして牛を追う姿を目にすることができます

アメリカン・ウォーター・スパニエル
鳥やウサギ狩りが得意なウィンスコンシン州犬
飼いやすさ
初心者向き2
健康管理3
社会性・協調性3
状況判断4
訓練好き4
友好的4
フィールド・スパニエルや、既に絶滅してしまったイングリッシュ・ウォーター・スパニエルがルーツだと考えられています。 1920年にイギリスで公認犬種となり、アメリカでも1940年に公認されました。

アメリカン・スタッフォードシャー・テリア
闘争心旺盛なパワフル犬
飼いやすさ
初心者向き2
健康管理3
社会性・協調性2
状況判断3
訓練好き2
友好的1
イギリスからの入植者とともにアメリカに渡ったスタッフォードシャー・ブル・テリアをアメリカで改良した犬種です。発達した筋肉と力強いあごを持つため昔は闘犬に使われていました。1936年に公認犬種となりました。

アメリカン・ハリア
持久走ナンバーワンのウサギ狩りの名手
サイズ的には、フォックス・ハウンドとピーグルの中間で、ともに集団でウサギを追いかける犬です。フォックス・ハウンドほど軽快な走り方ではないが持久力に富み、キツネを3時間25分も追跡し、ついにキツネが根負けして倒れ死んだという記録をもっています。王侯貴族が狩猟服をまとって騎乗し、大勢の勢子をしたがえてキツネ狩りをするときに用いられた犬で、フォックス・ハウンドとー緒に活躍した犬です。そんなことから王侯貴族は、これらの犬を特別扱いにして他の獣猟犬と区別し、特に一般大衆が飼育できないように隔離したほどです。 その伝統がいまも残っており、アメリカやイギリスではこの犬だけの協会を設立し、全犬種団体と一線を画しています。したがって有名なウエストミンスター展やクラフト展でもみかけることが不可能な幻の犬となっています。ハリアには略奪者という意味もあり、この犬に寄せられた期待の大きさがしのばれます。短毛でウンド・カラーが原則です。

アメリカン・フォックスハウンド
アメリカで生まれたキツネ狩りの猟犬
飼いやすさ
初心者向き2
健康管理4
社会性・協調性4
状況判断3
訓練好き3
友好的4
イングリッシュ・フォックスハウンドを1650年にアメリカに連れていき、その1世紀後にフランスのハウンドやアイリッシュ・セターと交配させて、アメリカン・フォックスハウンドか誕生しました。現在では猟犬、またはコンパニオン・ドックとして飼われています。

アメリカン・ブルドッグ
真実の勇気と愛を知るブルドック
飼いやすさ
初心者向き2
健康管理3
社会性・協調性3
状況判断4
訓練好き3
友好的4
イギリスのブルドッグと起源は同じですが、足が短く、優しい性格に改良されたイギリスのブルドッグとは対照的に、長い足と、凶暴な性格に育てられたのかアメリカン・ブルドッグです。現在では、かなり温和な性格に改良されています。

アメリカン・ヘアレス・テリア
アメリカ原産の新しいヘアレステリア
飼いやすさ
初心者向き3
健康管理2
社会性・協調性3
状況判断3
訓練好き3
友好的4
多くの犬種の中でも、新しい犬種で、1972年に、ラット・テリアの中から、体毛のない最初のへアレス・テリアが誕生しました。 FCIでは未公認ですが、2004年1月1日に、AKC(アメリカン・ケネル・クラフ)によって、正式な犬種として公認されました。

アメリカンコッカースパニエル
周囲を幸せな気分にしてくれる不思議な魅力を持つ
飼いやすさ
初心者向き4
健康管理2
社会性・協調性4
状況判断3
訓練好き4
友好的4
甘ったれだけど賢さも抜群
とても人なつこくて、初対面の人にでもものおじせずに愛想をふりまくので、この犬の回りには常に人だかりと笑い声が聞こえています。明るく陽気で楽天的な性格で、いつも鼻歌を歌いながら楽しいことを捜し回っているような印象を受け、こちらまで幸せな楽しい気分になります。 また、甘えん坊で主人にベタベタまとわりつくような面もありますが、甘ったれるだけでなく、周囲の状況もはっきりと判断していて、いざとなれば的確な行動がとれる賢い面もあり、しつけや訓練も何の問題もなくスムーズにこなしてくれます。 ただし、賢いうえに甘え上手なので、気が付けば犬のペースに引き込まれて、言いなりになっていたという展開になりがちなので注意しましょう。 とはいえ、そうした面まで長所に思えるほどの犬です

チャーミングな顔で人気の『わんわん物語』の主役
チャーミングな顔貌とコンパクトなボディー、美しい長毛が魅力的なアメリカ合衆国原産のガンドッグです。とはいうものの実猟に従事することは少なく、ショードッグ、家庭犬として多く飼育されています。 先祖犬は、1620年、宗教的弾圧や生活上の理由からイギリスを捨て、メイフラワー号でやってきた人びとに連れられていたイングリッシュ・コッカー・スパニエルといわれています。その後も移民とともにこの種類の犬が上陸しましたが、そのなかの比較的小柄で愛らしいタイプは実猟に使用されず、家庭犬として飼育されてきました。

タイプの変化は年月を経過するにしたがって顕著となり、ついに1945年、イングリッシュと別犬種であると認定され、アメリカン・コッカー・スパニエルとしての道を歩むようになりました。そしてこの犬の人気を決定づける役割を果たしたのが、ティズニーランドやティズニー映画で有名なウォルト・ディズニーでした。彼は犬を主人公にしたマンガ映画を作るに際し、新犬種として認定されたばかりのこの犬種をヒロインとして登場させましたが、これが大当たり。世界中で上映されたことからアメリカン・コッカー・スパニエルは一躍人気犬種となりました。映画の題名は『わんわん物語』で日本でも1950年代、1960年代、1980年代と数回にわたって上映され、特に愛玩犬の種類が少なかった50年代は熱狂的に歓迎され、1959年から66年までの8年間、トップ犬種として君臨した輝かしい歴史をもっています。第2次世界大戦後トップ犬種となったのは、日本スピッツ、マルチーズ、シェットランド・シープドッグ、シー・ズー、シベリアン・ハスキーとこの犬だけであり、いかに大変な記録かおわかりいただけると思います。 豊富な被毛はトリミンクで整えられ、毛色はブラック、アスコブ(黒以外の一色毛)、パーティ・カラーなど。断尾が必要です。

アラスカン・マラミュート
極寒のアラスカで暮らしていた忍耐強い犬
飼いやすさ
初心者向き3
健康管理3
社会性・協調性4
状況判断3
訓練好き3
友好的4
アラスカが原産地なので、寒さに大変強い犬種です。アラスカ北西部の部族マラミューツの人たちが飼っていました。力も強く、ソリを引いたり、狩猟や漁業を手伝ったりしていました

植村直己の旅行記に登場する大型のソリ犬
ソリ犬のなかではもっとも大きく、人気急上昇中で1991年度には1870頭の登録があり、前年度にくらべて7割近い増加となっています。これは、シベリアン・ハスキーに端を発したソリ犬人気に便乗したと考えられていますが、それだけではありません。やはり、犬らしい犬であり、日本人好みの立ち耳・巻き尾なのと悠然としたタイプが大衆にアピールしたと思われます。さらに、とてもきれい好きな犬であること、体臭を感じさせないこと、人なつっこい性質で子供と遊ぶのが好きなこと、家庭犬に要求される忠実さを備えていることなどが人気の要因と思われます。

それは登録頭数のデータにもはっきりとあらわれており、めざましい急増ぶりを示しています。地球にやさしくを合言葉に自然保護運動が叫ばれるいま、排気ガスに無関係な犬ソリ・レースを楽しむ人が増えていますので、この犬の将来はパラ色といえるでしょう。非常に古い犬種といわれていますが、くわしいことは不明です。アラスカ西海岸の少数民族マラミュートと呼ばれるエスキモーの犬でした。シベリアン・ハスキーよりひと回り大きく、重量のあるソリを引いたり狩猟に使用されてました。 一部のアメリカ人はアラスカン・マラミュートやシベリアン・ハスキーとオオカミを交配させ、オオカミ犬を作っていますが、愛犬団体では認めていません。 毛色はウルフ・グレー、ブラック、ホワイト、その他の混色ですが、白に限り単一色が認められています。尾をゆるやかに巻いているのが特徴です。

アリエージョワ
鋭い臭覚のエネルギッシュな猟犬
飼いやすさ
初心者向き2
健康管理3
社会性・協調性5
状況判断3
訓練好き3
友好的3
出身地の南フランスのアリエージュが名前の由来で、1900年代初めに、ブルード・ガスコーニュとガスコン・サントンジョワなどの交配によって誕生したと考えられています・第二次世界大戦の際には減少しましたが、愛犬家の努力により、現在まで生き残っています。

アルペンレンディシェ・ダックスブラッケ
アルプス育ちでがっちりタイプの猟犬
飼いやすさ
初心者向き2
健康管理3
社会性・協調性4
状況判断3
訓練好き3
友好的4
高山地帯のカモシカやウサギ、キツネなどを追い込むためにアルプスで働いていました。水中からの獲物の回収にも活躍していました。1991年にFCI (国際畜犬連盟)で公認されました。オーストリアでは現役の猟犬です。

アレンティジョ・マスティフ
ポルトカルで生まれた頼もしい番犬。ラフェイロ・アレンティジョとも呼ばれています
飼いやすさ
初心者向き1
健康管理4
社会性・協調性4
状況判断5
訓練好き2
友好的5
この犬種のルーツは、何千年も前のチベットの山地に存在した巨大な犬と考えられています。ローマ人とともにゆっくりと移住し、その間に独自の特徴を備えていったといわれています。牧場の家畜を侵入者から守るタイプの番犬です。

アングロ・フランセ・ドゥ・プティット・ヴェネリー
フランスの小型ハウンド
飼いやすさ
初心者向き3
健康管理3
社会性・協調性4
状況判断3
訓練好き3
友好的4
ポワトヴァンまたはポルスレーヌとピーグルまたはピーグル・ハーリアとの間に誕生したと思われます。主にノウサギやウズラなどの小動物の猟を目的とするために、小型でスピーディーな犬種として、1978年に最初のスタンタードが定められました。

い行

イースト・シベリアン・ライカ
ロシア国境の近くで活躍した狩猟犬
飼いやすさ
初心者向き1
健康管理3
社会性・協調性4
状況判断4
訓練好き1
友好的3
狼のようなスピッツとロシアの土着の犬との交配によって誕生した犬種です。主にトナカイやエルク、クマ、テンなどのハンティングや犬ぞりなどの作業犬として活躍しました。黒、グレー、茶など色は様々なバリエーションがあります。

イストリアン・スムースコーテッド・ハウンド
クロアチアではポピュラーなハウンド
飼いやすさ
初心者向き1
健康管理4
社会性・協調性4
状況判断4
訓練好き3
友好的3
バルカン半島でも最も古いセント(嗅覚)・ハウンドと考えられています。かつてバルカン半島にやってきたフェニキア人か連れていたアジアのサイト(視覚)・ハウンドと、ヨーロッパのマスチフ、セント・ハウンドの交配によって誕生したようです。

イストリアン・ラフコーテッド・ハウンド
より進化したイストリアン・ハウンド
飼いやすさ
初心者向き1
健康管理3
社会性・協調性4
状況判断3
訓練好き2
友好的3
19世紀半ば、優れたイストリアン・スムースコーテッド・ハウンドを、さらに声をよく出すために、フランス原産のグリフォン・ヴァンデーンを交配させて誕生しました。1866年に、初めてオーストリア・ウィーンのドッグショーに登場しました。

イタリアン・グレーハウンド
超スリムな体を持つ心優しい犬
飼いやすさ
初心者向き3
健康管理3
社会性・協調性3
状況判断3
訓練好き3
友好的4
優しく無邪気だが怖がりな面も
警戒心が強くて怖がりな面があります。大好きな飼い主とずっと一緒にいたいと願う愛情深い犬で、心を許した家族の前ではリラックスして明るく無邪気に振る舞います。体臭がなく、抜け毛もほとんどないので、毎日の手入れにはあまり気を遣う必要がありません。吠えることもほとんどないので、集合住宅をはじめどんな住環境でも、気兼ねなく飼える犬種です。バネ仕掛けで跳びはねているように軽やかに走る姿は、パンビのように可憐で美しいです。 しかし、この瞬発力と臆病な性格が災いして、驚いてパニックになると、高い所から飛び降りたり、垂直な壁に駆け上がろうとするなどの無茶をして、大怪我の原因になることも多いので注意が必要です。 被毛のカラーには、クリーム、ブラック、ブルー、フォーンがあります。

優雅で上品な獣猟犬タイプの愛玩犬
視覚型獣猟犬タイプではもっとも小さく、もっぱら愛玩犬として飼育されてきたと考えられています。優雅なスタイルの品位を感じさせる犬で、女性の伴侶としてぴったりです。 発祥地はグレーハウンドと同じエジプトで、古代に王朝滅亡後はイタリアで愛玩犬として飼育されていました。西暦79年のベスピオス山の噴火で埋没したポンペイ市の追跡からこの犬の化石が発見されています。このことからも当時の犬としては穏やかな性格の愛玩犬だったことがわかりました。 しかし、現代のイタリア人にとってこの犬はあまり魅力がないようで、飼育頭数も100頭そこそこで、愛犬団体の悩みの種となっています。この犬を後世に伝えたのはイギリス人の功績といっていいかもしれません。 日本でも近年ようやく飼育者がみられるようになり、1991年は86頭の登録がありました。毛色はフォーン・レッド、グレー、ブルー、クリームなどで、ホワイトが混じっていることが条件です。

イタリアン・コルソ・ドッグ
保護者(コールス)の名を持つローマ時代の闘犬。ヨーロッパではカネ・コルソの別名あり。
飼いやすさ
初心者向き1
健康管理4
社会性・協調性3
状況判断4
訓練好き4
友好的4
古代ローマ時代の闘犬や、クマやイノシシなどの大型野生動物の狩猟に使われていた犬が祖先です。近年になって、数が減り、絶滅しかけましたが、ごくわずかな愛好者たちによって回復し、絶滅をのがれることができました。

イタリアン・ハウンド
均整のとれた肉体が美しいイタリアの猟犬。別名セクージョ・イタリアーノ
飼いやすさ
初心者向き1
健康管理3
社会性・協調性3
状況判断3
訓練好き3
友好的3
かつてはイノシシ猟や野ウサギ猟などのときに利用されていましたが、今では、見かけることが少ない犬種となりました。ヨーロッパ原産のほとんどのブラックハウンド(ブラッケ)の祖先となる犬種だと考えられています。

イタリアン・ポインティング・ドッグ
ポインティング・ドッグのルーツ。別名ブラッコ・イタリアーノ
飼いやすさ
初心者向き2
健康管理3
社会性・協調性3
状況判断3
訓練好き3
友好的4
4世紀や5世紀ごろの記録に、ブラッコ・イタリアーノと思われる犬種が紹介されており、最も古いポインティング・ドックの1つと考えられています。他のポインティング・ドックの祖先ともいわれています。

イタリアン・ワイアーヘアード・ポインティング・ドッグ
とげとげした被毛が特徴。スピネーノ・イタリアーノ
飼いやすさ
初心者向き2
健康管理3
社会性・協調性3
状況判断4
訓練好き3
友好的2
スピノーネ・イタリアーノやイタリアン・クリフォンという別名を持ち、1683年に発行された書物にも、この名前の犬について述べられています。スピノーネとはとげのある植物の意味で、薮の中にも突き進みます。

イビザン・ハウンド
野性的な姿を今に残すバレアレス諸島の猟犬。別名ボデンコ・イビセンコ
飼いやすさ
初心者向き2
健康管理3
社会性・協調性4
状況判断4
訓練好き3
友好的2
今から5000年以上前の古代エジプトにいた犬がルーツだと考えられています。8世紀ごろに、フェニキア人とともにスペインのバレアレス諸島に渡り、現代まで生き残っていた古いファラオ・ハウンドの子孫だといわれています。

イングリッシュ・コッカー・スパニエル
ヤマシギ(コック)狩りのスペシャリスト、コッカー
飼いやすさ
初心者向き3
健康管理3
社会性・協調性3
状況判断3
訓練好き2
友好的3
忍耐強く状況をわきまえている犬
控えめな奥ゆかしさがあり、状況をわきまえながら自制心を持って行動できるうえ、忍耐強さも抜群ですから、どこに連れ出しても恥ずかしくありません。陽気で気配りも上手ですから、周りを和やかなムードにしてくれます。 甘えん坊な面もあり、本当は甘えたい時でも状況を察して我慢して、もじもじ待っているところがあるので、飼い主が先読みして、かわいがってあげると大喜びします。 しかしその反面、賢さが裏目に出て、飼い主の頼りなさに見限ると自分がリーダーになって家庭を引っ張ろうとします。そうなると家族にでも、威圧的で攻撃的で頑固な態度を取るようになってしまいます。尊重しながらうまく付き合うと、理想的な室内犬になります。 耳などの飾り毛は汚れやすいので、注意しましょう

ウェールズ王に評価を与えられる
数多いイギリスのスパニエルのうち、もっともスタンダードなタイプをしたガンドッグです。コック(山鴫)猟向きに改良され、現在の犬種名となりましたが、スパニエルの歴史は古く、『カンタベリー物語』の著者チョーサーの別の作品にスパニエルについて書かれたものがあり、14世紀には一般的な犬種になっていたようです。 もっとも古い文献では、10世紀のウェールズ王ハウエル・ダーがその法典の中で王が所有するスパニエルは1ポンドの価値があると書かれており、現在の貨幣価値と比較すると数千万円になると思われます。すぐれたスパニエルはそれほど高く評価されていたということです。当時のことですから、網のほうへ鳥を追いやる能力だったと思えますが、そのセンスのよさは猟銃による方法に変わっても生かされたはずです。 日本には明治時代に輸入された唯一のスパニエルでしたが、アメリカン・コッカー・スパニエルの登場によって数が激減し今日に至っています。断尾が必要とされます。

イングリッシュ・スプリンガー・スパニエル
古い歴史を持つ優れた鳥猟犬
飼いやすさ
初心者向き3
健康管理2
社会性・協調性4
状況判断4
訓練好き5
友好的4
最古のスパニエルの1つと考えられていて、その歴史は600年前までさかのぼります。犬種として認められたのは1901年のことです。イングリッシュ・コッカー・スパニエルと近縁で、鳥猟犬として活躍していました。

イギリスのスパニエル中、最古、最大犬種
イングリッシュ・スプリンガー・スパニエルは、イギリスの数多いスパニエルのなかではもっとも大きい犬で一番古い犬とされています。 狩猟による鳥猟が開発される以前から、鳥を捕る猟に使用されてきました。網に向かって鳥を追い込んだり、鷹狩りに使用され、パネがよくきいたスプリングのように勢いよく跳び出すことから、この名前がついています。

スパニエルの語源は、この犬種が発生したといわれるスペインにちなんだものといわれ、10世紀前にイギリスにもたらされ、陸上の猟を得意とするランド・スパニエルと水辺の猟でより能力を発障するウォーター・スパニエルに分かれるようになりました。この犬はランド・スパニエルの系統ですが、水中の獲物の回収も苦にしない珍しい犬です。しかし、ポイント(獲物の在りかをハンターに教えること)はあまり得意でなく、ポイントにすぐれているセターやポインター、獲物の回収を専業とするレトリーバーなどの進出もあって、次第にガンドッグとしての地位が低下した時代もあります。

この危機を救ったのがドッグショーで、1901年、イギリスの愛犬家団体から独立犬種として認定され、肢の長い被毛の美しい犬として評判を呼び、家庭犬としても広く飼育されるようになりました。 イギリスのスパニエルとしては、ヨーロッパ大陸でもっとも支持されています。日本での飼育頭数は多いとはいえません。ストレートの絹糸状の被毛で、毛色は赤褐色と白、黒と白、葦毛まじりなどです

イングリッシュ・セター
イギリスを代表する鳥猟犬
飼いやすさ
初心者向き3
健康管理3
社会性・協調性4
状況判断4
訓練好き3
友好的4
古いスパニエルがルーツです。ポインター、ウォーター・ドッグ、スパニエルなどとも交配されて、作り出された猟犬です。 犬が獲物の位置を確認して、しゃがみこむ動作をセットといい、そこから、セターと名付けられました。

イングリッシュ・フォックスハウンド
集団でキツネを狙う勇敢な猟犬
飼いやすさ
初心者向き3
健康管理3
社会性・協調性4
状況判断3
訓練好き3
友好的4
野生動物の狩猟が盛んだったイギリスでは、6世紀頃から、貴族たちか獲物を追わせるフォックスハウンドを群れ単位で所有していました。フォックスハウンドの飼育係も雇われていました。今でも、猟犬として飼われている犬がほとんどです。

開国と同時に日本にやって来たセター中の人気者
獲物の所在を確認するとしゃがみ込んで(セッティング)ハンターに合図を送る長毛の大型猟犬で、イングリッシュ・ポインターとともに世界中で飼育されています。同族のアイリッシュ・セターが金栗色一色、ゴードン・セターがブラック・タンで黒が主流なのに対し、この犬は全身にレモン、オレンジ、レバーのいずれかの小斑が散在するのが特徴となっています。ブルーの斑やトライ・カラーの犬もいます。 先祖犬はセッティング・スパニエルで、1555年、ノーザンパーランドのロパート侯爵がこの犬をうずら猟に備えて訓練したと伝えられており、もし事実とすれば散弾銃の開発がおこなわれたころであり、鉄砲による鳥猟に期待する人間の貪欲さを示すいい例といえるでしょう。 19世紀中ごろには、この犬による狩猟スタイルが完成されるとともに犬質も固定され、ショードッグとしての地位も高めました。日本には明治のはじめイングリッシュ・ポインターなどと紹介されましたが、近年はアイリッシュ・セターに押され気味です。

イングリッシュ・ポインター
イギリスを代表する猟犬
飼いやすさ
初心者向き2
健康管理3
社会性・協調性4
状況判断4
訓練好き4
友好的4
祖先は、16世紀初めにイベリア半島からやってきた犬です。 その後、他のポインターなどとも交配され、イギリスを代表する猟犬となりました。ハンターが撃ち落とした鳥の位置を、前片足を上げて指す独特のポースが犬種名の由来です。

スタイル、能力ともに第一級の鳥猟犬の傑作
ガンドッグのキングともいわれている犬で、世界中で飼育されており、普通、ポインターといえばこの犬を指します。 伸び伸びとした姿態と頭部の軽やかな作り、短毛のスッキリしたアウト・ラインは、人工の極致といわれ、イギリス人の犬に対する執念を感じさせます。もちろんスタイルだけが売り物の犬でなく、ガンドッグとしての能力もトップクラスです。

聴覚と嗅覚にすぐれ、獲物を察知すると前脚を片方上げ(ポイント)てハンターに合図を送ります。とにかく猟欲の旺盛な犬で、子犬に授乳中でも主人が猟支度をするとじっとしていられない犬で、出産の翌日には出猟する犬もいるほどです。また、訓練が入りやすく、命令に忠実なので家庭犬、伴侶犬としての人気もかなり高いものがあり、ショードッグとしても活躍していますが、それだけではこの犬にとっては不満なことでしょう。日本には明治以降多数輸入され、一大勢力となっています。5万頭以上いると思われます。毛色は白地に黒、茶の大小の斑が全身に散りばめられています。

う行

ウィペット
鞭のようにしなやかに疾走するスプリンター
飼いやすさ
初心者向き3
健康管理3
社会性・協調性3
状況判断4
訓練好き4
友好的3
約100年前、労働者たちのギャンブルとなっていたウサギ追いで利用するため、グレーハウンドやイタリアン・グレーハウンド、テリアなどを交配させ、イギリス北部で作り出されました。その後、ドック・レースにも出ていました。

庶民によって作られたレース犬
かつてはレース犬としても使用されてきたことがあるイギリス原産の中型視覚型ハウンドです。 本格的なレース犬を所有できなかった庶民によって作出されたことから、「貧者のグレーハウンド」とさげすまれた悲しい歴史をもっています。 競馬やグレーハウンド・レースに参加できない一般大衆が、イタリアン・グレーハウンドやマンチェスター・テリアなどを交雑して作出したといわれ、ニューカッスルなどの貧しい労働者が多く住んでいた地方でおこなわれた小規模のレースに出場していました。 スナップ・ドッグの異名もあり、ネズミ捕りにも用いられたことをうかがわせます。しかし、大衆の生活が向上し、手軽にグレーハウンド・レースに参加できるようになったり、ネズミに悩まされなくなった現在はその存在意義が失われ、人気の圏外においやられて飼育者も次第に減少傾向にあります。 ウィペットの語源は、ムチのようにしなやかな跳躍に由来するといわれています。日本での飼育は、1990年56頭、1991年58頭が登録されただけで、稀少犬種に属します。

ウエスト・シベリアン・ライカ
ライカの中では最もポピュラーな犬種
飼いやすさ
初心者向き1
健康管理3
社会性・協調性4
状況判断4
訓練好き1
友好的3
最も一般的飼われているライカです。西シベリアの古いライカがルーツです。古代から主にエルクやイノシシ、オオヤマネコなどのハンティングに用いられました。運動能力が高いため、運動量を膨大にとらなくてはなりません

ウエストハイランドホワイトテリア
つぶらな瞳が印象的な純白の人気犬ウエスティー
飼いやすさ
初心者向き3
健康管理3
社会性・協調性3
状況判断2
訓練好き2
友好的4
自由気ままに遊ぶのが大好き
明朗活発で自由気ままに、楽しいことはないかと捜し回っているような好奇心旺盛ないたずら好きな犬です。愛くるしい外見とは裏腹に、気が強くて短気で頑固な面もあり、気にいらないことや嫌なことを無理強いすると、無視したり、突然攻撃的になって噛み付いてくることもあります。 自立心が強いマイペース主義で、それを乱すような行動を取る人、特に幼児などには、我慢出来ずに突然噛み付くこともあるので要注意。 利口なのに頑固さが邪魔して、しつけにはそうとうてこずります。焦らずにゆっくりと相手のペースに合わせながら、プライドを傷つけないように繰り返し訓練し、成功したらおおげさな位たっぷりほめることが大切です。 真っ白な被毛は、ややワイヤー状で、硬い長毛です。ただし、抜け毛は少なく、手入れに手間はかかりません

純白な被毛が魅了するテリア・グループの人気者
イギリスとアイルランド原産のテリアは30種類にも及びますが、そのうち日本で飼育されているのは約20種類で、なかでももっともヨークシャー・テリア同様トイ・テリアの感覚で飼育されています。日本人は雪や塩などの白いものに清々しさを感ずる傾向があり、白い犬を特別に好むようなところがみられます。日本スピッツ、マルチーズはその代表的なものとして一世を風靡しました。その延長線上にあるのがこの犬で、テリアのなかではダントツの人気を誇っています。

日本に紹介されたのは1950年代後半ですが、その愛らしいタイプからたちまち人気犬種となり、そのために戦前からいた他のテリアが大打撃を受けました。 犬種名からも想像がつくように、スコットランド北西部の高原地方が発祥の地です。ケアーン・テリアの亜種ですが、昔は白いケアーン・テリアが産まれるとこれを嫌って処分していました。育ちにくいと信じられていたのです。愛称はウエスティで、かたいワイア状の毛質です。

ヴェッターフーン
オランダ語でウォータードッグが犬種名
飼いやすさ
初心者向き3
健康管理3
社会性・協調性5
状況判断4
訓練好き3
友好的3
はっきりしたことがわかりませんが、オランダ北部のフリースラント地方で、スペイン産のウォーター・ドッグと土着犬との交配によって生まれたのではないかと考えられています。ちなみに犬種名はオランダ語でウォーター・ドッグという意味の言葉です。

ウェルシュ・コーギー
特大の耳と短脚長胴が独特の利口な牧畜犬
牧羊・牧畜犬としては珍しく体高が極端に低い犬です。本来は牧場の小鳥の群を追ったり集めたりする犬で、吠えたり足元に咬みついたりして、誘導していました。 馬のひずめに踏みつぶされたら一巻の終わりですので、その行動を素早くキャッチする必要があり、特大の耳を持つ短脚長胴の短毛の牧羊・牧畜犬となりました。 イギリスはウェールズ地方が原産地で、短尾のものをペンブローク、長尾の犬をカーディガンと区別していますが、人気的にはペンブロークが勝っています。 この犬のくわしい来歴は不明ですが、スウェーデンにウリ二つの犬がおり、バイキングの南下でウェールズにもたらされたという説もあります。ウェールズの古い法典では、唯一家畜犬として規定されていたのがこの犬で、約1000年前のことですから古い犬だったことがわかります。 しかし、農民を相手としていたことから歴史的に牧羊・牧畜犬の地位は低く、ウェルシュ・コーギーが愛犬家団体に登録が認められるようになったのは、1928年以降です。特に英国王室が飼育するようになって国際犬種として知名度が高まり、日本でも近年は飼育者が増加傾向にあります。

ウェルシュ・コーギー・カーディガン
ベンブロークより一回り大きいのが特徴
飼いやすさ
初心者向き3
健康管理3
社会性・協調性3
状況判断4
訓練好き3
友好的5
よく似たウェルシュ・コーギー・ベンブロークよりも犬種としての歴史は古く、紀元前1200年頃、ケルト人とともにウェールズに来たようです。胴長短足の体型をしているダックスフンドと同じ血統の子孫と考えられています

ウェルシュ・スプリンガー・スパニエル
イギリスでは家庭犬としても大人気
飼いやすさ
初心者向き3
健康管理2
社会性・協調性4
状況判断4
訓練好き4
友好的4
ルーツは14世紀に遡れます。祖先犬は、イングリッシュ・スプリンカー・スパニエルやコッカー・スパニエルと同じと考えられていますが、1570年には独立犬種となりました。19世紀後半にドッグ・ショーにも登場しました。

ヴォルビーノ・イタリアーノ
イタリアでも数の少ない純白スピッツ
飼いやすさ
初心者向き4
健康管理3
社会性・協調性3
状況判断3
訓練好き3
友好的4
犬種としての歴史は古く、古代ローマの人々にも愛されていました。しかし、近年は原産地のイタリアでは数を減らして、見かけることの少なくなった稀少犬種です。見かけはジャーマン・スピッツ・クラインとそっくりです。

え行

エアデールテリア
軍用犬にもなった大型テリア
飼いやすさ
初心者向き3
健康管理3
社会性・協調性3
状況判断4
訓練好き4
友好的3
オッターハウンドと、今は絶滅したブラック・アンド・タン・テリアなどとの交配によって、1850年代に誕生したようです。 もともとはイングランド中部のエア渓谷(テール)にいた犬が祖先です。軍用犬としても活躍していました。

軍用犬として活躍したテリア界最大の犬
キング・オブ・テリアと呼ばれるテリア界最大の犬です。この犬はかつて2度注目されました。最初は、カワウソ狩り用に作出され、イングランドのエア河で活躍、一躍その勇名をとどろかせたときです。2度目は第1次大戦時、イギリス軍の軍用犬として武器弾薬、食料・医薬品を運搬、ドイツ軍のジャーマン・シェバード犬やドーベルマンを向こうに回し、大評判を浴びました。以来第2次大戦まで各国から軍用犬として引っ張りだこでした。 そのころの話ですが、イギリスの他のテリアの飼育者からテリアという名前が似つかわしくないので使用しないようにと申し入れをされたことがあります。この犬が軍用犬として人気が高まるにつれ繁殖にも熱が入り、その結果、ドッグショーでは他のテリアを寄せつけず、入賞を独占したからです。また、高価で取り引きされたこともねたみを買いました。そこでとりあえず犬種名からテリアをはずし、次にテリアじゃないから他の犬種群へ移籍させようというのが、中・小型テリア関係者の作戦だったのです。さいわい、その意図は見破られコト無きをえましたが、大きすぎたばかりに受けた災難でした。 しかし、第2次大戦後は局地戦争よりなく、この犬も出番を失って飼育者も激減してしまいました。他の軍用犬は警察犬に転身し成功しましたが、この犬はトリミングが必要な犬種だったために敬遠されたのかもしれません。 近年は年間登録数が100頭以下のときもあり、前途は多難です。

エストレラ・マウンテン・ドッグ
ヨーロッパではカオ・ダ・セラ・ダ・エストレラと呼ばれる
飼いやすさ
初心者向き1
健康管理3
社会性・協調性3
状況判断3
訓練好き3
友好的2
ポルトガル中部にあるエストレラ山地では、古くから知られている犬です。今でも、羊の群れを狼から守るガードドッグとして活躍しています。長毛タイプとスムースタイプがいますが、どちらも寒さには強いようです。

エントレブッフ・キャトル・ドッグ
スイスではエントレブッファー・ゼネンフントと呼ばれています
飼いやすさ
初心者向き2
健康管理4
社会性・協調性4
状況判断4
訓練好き4
友好的4
エントレブッフという名は、スイスの地域の名が由来です。大型犬の多いスイスのマウンテン・ドッグの中で、コンパクトなサイズの犬を目的に1800年代に作りだされました。スイスではエントレブッファー・ゼネンフントと呼ばれています。

お行

オーストラリアン・キャトル・ドッグ
持久力と丈夫な体が自慢の牧畜犬
飼いやすさ
初心者向き3
健康管理4
社会性・協調性3
状況判断5
訓練好き4
友好的3
19世紀半ばに、イギリスからオーストラリアへ移住した人々が連れていたコリーとディンゴ(オーストラリアの土着犬)などとを交配して、作り出したといわれています。キャトル・ドックとは牛追い犬のことです。

牛の背中に飛び乗って誘導する独特の牧羊犬
オーストラリア最大の産業は牧畜業で、牛の飼育頭数も世界で1、2を争っています。 この国では欧米と違い、乾燥地帯で多頭数を飼育しているのが特徴で、イギリスからの移民が連れてきた牧畜犬があまり役に立ちませんでした。 そこで暑さに強く激しい労働にも耐える犬が求められ、作出されたのがこのオーストラリア・キャトル・ドッグでした。 1840年ごろオーストラリアに入植したT.Hスミスが、短毛のコリーやいまは絶滅してしまったイギリスの牧畜犬ブルー・ヒーラーと土着の半野生犬ディンゴによって作出したといわれています。 跳躍力に富み、牛の背中に飛び乗って方向を指示する犬として飼育されており、一般家庭でも伴侶犬として人気が高く、ドッグショーでも多数出陳されていますが、国外での普及は十分でなく、今後を待たなければなりません。 軽い感じの小型に近い短毛の犬で、ブルーの斑や小斑はブルー・ヒーラーから譲り受けたものです。日本では100頭前後が飼育されているだけです。

オーストラリアン・ケルピー
オーストラリアで高い人気を誇る牧羊犬
飼いやすさ
初心者向き3
健康管理3
社会性・協調性2
状況判断4
訓練好き4
友好的3
スコットランドからの移住民が、1870年代にスムース・コリーをベースにして作り出した牧羊犬です。今では、オーストラリアで人気の犬種となっています。ちなみに、ケルビーとはスコットランド伝説の水の精のことです。

オーストラリアン・シェパード
アメリカ生まれオーストラリア育ちの牧羊犬
飼いやすさ
初心者向き4
健康管理4
社会性・協調性4
状況判断5
訓練好き4
友好的4
犬種名にオーストラリアと付いていますが、アメリカが原産地です。19世紀に、アメリカへ移住した開拓者の連れていた牧羊犬と、コリーやオーストラリア土着の犬「ディンゴ」の血を引く牧羊犬とを交配して作られた犬種です。

オーストラリアン・シルキー・テリア
シルクを思わせる長毛が魅力の小型テリア
飼いやすさ
初心者向き2
健康管理3
社会性・協調性1
状況判断3
訓練好き1
友好的1
19世紀末のオーストラリアで、ヨークシャー・テリアやオーストラリアン・テリアなどの交配によって作り出されました。 ヨークシャー・テリアとよく似ていますが、この犬種のほうが体格は大きくなっています。

オーストラリアン・テリア
古い歴史を持つオーストラリア育ちのテリア
飼いやすさ
初心者向き4
健康管理4
社会性・協調性2
状況判断4
訓練好き2
友好的2
スコットランドからオーストラリアへやってきたという移民が飼っていたスティールブルーの小型テリアと、様々なイギリス産テリアとの交配によって作られました。ネズミ駆除や農場・牧場の番犬をしていた犬です。

オーストリアン・スムース・ブラッケ
鋭い嗅覚を持つ歴史のある猟犬。別名ティローラー・ブラッケ、チロリアン・ハウンド
飼いやすさ
初心者向き2
健康管理4
社会性・協調性5
状況判断4
訓練好き3
友好的3
1500年前から、オーストリアの高山地帯では知られていた、優秀な猟犬です。オーストリアの猟犬の誕生に関連しているといわれています。1896年にはスタンタードが確立され、1908年に公認されました。

オーストリアン・ピンシャー
オーストリア以外では見かけない珍しい犬種
飼いやすさ
初心者向き2
健康管理4
社会性・協調性3
状況判断3
訓練好き3
友好的2
祖先は、農民が昔から飼っていた犬だと考えられています。 1928年にオーストリアのケンネルクラブによって公認されました。第二次世界大戦後に絶滅寸前でしたが、数少なくなった個体を集めて繁殖し、回復しました。

オーストリアン・ブラック・アンド・タン・ハウンド
オーストリアの優れた猟犬。別名フィアオイグルとかフランドル・ブラッケと呼ばれる
飼いやすさ
初心者向き1
健康管理3
社会性・協調性4
状況判断4
訓練好き3
友好的3
19世紀の中頃までの、くわしい歴史やルーツについて、はっきりしたことはわかっていません。しかし、ケルティック・ハウンドという、古い犬種の子孫だということは確かなようです。原産国のオーストリア以外の国では、現在でも、それほど知られていません

オールド・イングリッシュ・シープドッグ
見かけによらずやんちゃな牧羊犬
飼いやすさ
初心者向き2
健康管理2
社会性・協調性4
状況判断3
訓練好き3
友好的2
19世紀に鉄道の普及する前は、市場へ家畜を連れていく仕事をしていました。スコットランド高地からロンドンまで、家畜を誘導しながら旅をしたといわれています。本来は牧羊犬です。

みごとな被毛が顔をおおう家畜商人の犬
全身豊富な粗毛でおおわれ、頭部の毛が顔面をおおいかくしている古いイギリスの牧羊犬で、体型的には大きいほうに属します。もともとは羊や牛を護送する犬で性格も荒々しく、1859年、世界最初のドッグショーで審査員をつとめた人も「大きな恐ろしい犬」と表現しています。 オオカミや羊泥棒を相手にするには、相手に恐怖感を与える必要があり、ことさらに性格的に狂暴な犬が求められていたせいとも考えられます。 現在のオールド・イングリッシュ・シープドッグは、体全体もふっくらして性格的にも円満ですが、19世紀当時の写真をみるとやせこけており、飼い主からひどい扱いを受けていたように思われます。犬を極限状態に置くことにより、反抗心や敵愾心を高ぶらせ、闘争本能を発揮するようにさせていたのかもしれません。また、この犬の主人は、当時社会的地位が低かった家畜商人だったので、あまり情けをかけなかったとも考えられます。家畜商人にとっては、商品は牛や羊であり、護送犬は二の次だったのです。

しかし、19世紀半ばにイギリスからオオカミが姿を消すとこの犬の出番も少なくなり、他の牧羊犬同様に絶滅の危機を迎えましたが、ちょうどそのころからドッグショーが人々の関心を集めるようになり、独自なスタイルから危機を回避することができました。かつてイギリスには、30を超える牧羊・牧畜犬がいたといわれていますが、現存するのはわずか数種類であり、いかに個性的な犬だったかがわかります。愛称は「ボブ・テール」(尾を切りつめた犬)で、これは当時家畜の護送犬に税金が課せられており、納税した証明として断尾された名残りです。 また、豊富な被毛をもっていることから毛をすきとられ、セーターなどに編まれました。オリジナリティーに富んだスタイルから世界的にも幅広く人気を集めています。日本には1970年代に輸入され、一部の熱心なファンによって飼育拡大が図られています。

オッターハウンド
オッターとはカワウソを意味する言葉で、かつてはカワウソ猟のスペシャリスト
飼いやすさ
初心者向き2
健康管理3
社会性・協調性3
状況判断4
訓練好き3
友好的3
ルーツについて詳しいことはわかっていませんが、14世紀の初め、カワウソ狩りのときに活躍した犬のことが記録として残っています。19世紀に、ブラッドハウンドやフランスのグリフォンなとど交配させて、作り出されました。
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